2022 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト2nm世代スピントロクスデバイス実現に向けた材料・デバイス・回路技術
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22H00214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 裕一郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50618361)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シリコンスピントロニクス / シリコン / スピン流 / スピンデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は下記の(A),(B)について実施した. (A) スピンデバイスを先端トランジスタレベルに向上させるにはスピンFETの磁気抵抗比向上が必須である.そのために電極形状の改善と素子構造の改善を行った.前者については電極の周長と面積を変化させコンダクタンスを測定したところ,電極周囲からのリーク電流が大きく,低スピン偏極率の原因になっている可能性が示唆された.そこで強磁性体電極をMgO膜よりも小さくしたトリミング構造を形成した処,従来試料と比較してスピン起電力が1桁程度増強した.また後者についてはFinFET構造の創成に挑戦した.幅100nm以下,高さ2000nmという高アスペクト比のSi-Finの(010)側面に強磁性体膜(Fe/MgO)をエピタキシャル成長することに成功した. (B)Siの異種接合界面において,有限のスピン軌道相互作用および,面直電界が存在するとバンドのスピン縮退が解け,スピンは電荷蓄積の相対論的効果の帰結として磁界を感じるようになる.この有効磁界により,スピンの歳差運動を誘起したり,スピン寿命を変調できる.以前はSi/SiO2界面のスピン回転操作に関する研究は初歩的なデータの取得に成功していたが,更なる高効率スピン制御を目指し,スピン軌道相互作用が大きなHfO2とSiの界面を用いたスピン操作の実験に取り組んだ.HfO2のエピタキシャル成長には成功したものの,界面に極薄のSiO2層が形成さえれていることが判明した.今後はSiO2層を無くす成膜条件について探索予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スピンデバイスに関しては新しいデバイス構造の作製などが順調に進んでおり,予定通りと言える.異種接合系の開拓については当初想定していなかった課題も明らかとなったが,新しい共同研究者と連携を図り,高品質界面作製に向けたプロセス開発を進めている.研究体制がどんどん発展し続けていることを鑑みると,今後の大きな飛躍が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのようなスピンデバイスの高性能化やデバイス構造の改善に加え,高周波応答などこれまでは検討していなかった研究内容にも取り組んでいく予定である.更には異種接合の開拓をより一層発展させ,新しい学理構築にも進めていきたい.
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