2022 Fiscal Year Annual Research Report
Design strategy for brittle crack arrest to achieve innovative crack propagation control
Project/Area Number |
22H00242
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴沼 一樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30611826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10235939)
三目 直登 筑波大学, システム情報系, 助教 (10808083)
森田 直樹 筑波大学, システム情報系, 助教 (20789010)
川畑 友弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50746815)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 脆性破壊 / 高速亀裂伝播 / アレスト / 重合メッシュ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
「破壊シミュレータの開発」では、弾性体を対象として亀裂前縁の幾何情報を基準とした「レベルセット法」によるローカルメッシュ生成アルゴリズムを構築し、高速亀裂伝播に伴う亀裂前縁形状変化と局所応力の高精度評価を同時に実現し、従来の手法における精度・効率性・安定性・アルゴリズムの煩雑性に関する本質的な課題を全て解決した手法を確立した。 「材料破壊抵抗同定手法の開発」では、力学に立脚して試験片全体に圧縮応力を与える新たな脆性亀裂アレスト試験法のコンセプトを提案した。標準的な3点曲げ試験片を用いた従来のアレスト試験法と提案法とを2種類のフェライト鋼に対して適用して比較したところ、従来法では亀裂の停止が実現しない温度条件下であっても提案法により亀裂を停止できることが確認され、提案法の有効性を確認した。 「最適構造設計手法の開発」では、最適化手法の開発に先立ち、構造体内部に不連続面を導入するための合理的な手法の開発を行った。具体的には、要素形状と独立に変位不連続を定義可能な拡張有限要素法の近似法をグローバル要素に実装し、ローカルメッシュを用いてグローバルメッシュ内部に自由表面を導入する際に生じる誤差を効果的に解消する手法を開発し、厳密解を有する問題に適用して精度検証を実施することでその有効性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「破壊シミュレータの開発」、「材料破壊抵抗同定手法の開発」、「最適構造設計手法の開発」それぞれの項目で当初の計画を超えて進捗が見られるため。
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Strategy for Future Research Activity |
「破壊シミュレータの開発」では、前年度の開発した弾性体を対象とした3次元高速亀裂伝播モデルを基礎として、破壊条件に基づき、各計算ステップで更新される亀裂全円形状および時間増分量に対する最適化計算を実行することでApplication phase analysisを実行可能なアルゴリズムの開発を行う。さらに、重合メッシュ法の材料非線形問題への適用性拡大を検討する。 「材料破壊抵抗同定手法の開発」では、前年度に検討を行った試験片全体に圧縮応力を与える新たな脆性亀裂アレスト試験方法に対し、その試験体の形状や寸法、治具による荷重負荷位置・角度を設計変数とした最適設計を実施する。 「最適構造設計手法の開発」では、昨年度に検討した、要素形状と独立に変位不連続を定義可能な拡張有限要素法の近似法を、試験体/構造体の全体構造をモデル化するためのグローバルメッシュに適用し、亀裂の形状に整合し動的に移動するローカルメッシュ境界とグローバルメッシュによる構造体表面との間に生じる幾何学的不整合に起因した解析精度の低下を効果的に解消するモデル化手法を確立する。
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Research Products
(6 results)