2022 Fiscal Year Annual Research Report
光海底ケーブルを利用した火山観測システムの構築とその活用
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22H00251
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小野 重明 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), センター長 (20313116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 優 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), グループリーダー代理 (40314041)
桑谷 立 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), グループリーダー (60646785)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 海域火山性地震観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、観測研究を行うための事前準備を中心に作業を行った。まず、利用する光海底ケーブルの所有者である東京都との手続きを行った。同時に、観測装置を設置するケーブル局舎の管理者であるNTT東日本との事前準備を進めた。新規に観測装置を購入するために、入札の手続きを進め、初年度後半に観測装置の納品が完了した。納品された観測装置は、JAMSTECのテストサイトである室戸局舎に持ち込んで、性能試験を行った。試験結果は、入札で設定した性能を十分満たすものであり、次年度以降の観測でその性能を発揮できることが期待できた。次年度の観測実施時期に関しては、利用する局舎の利用可能な期間が限られるとの事から、NTT東日本から提案のあった12月以降に実施する予定となった。10月までは局舎内での通信に関する工事作業が行われるため、本研究の試験観測には適さない環境であることが判明したためである。そのため、年度の前半には、これまで他の場所での試験観測で得られた観測データを使って、データ解析手法の高度化を進めた。使用したデータは、九州南方の海底火山である鬼界海底カルデラ火山の活動を捉えたDASデータである。一昨年にこの場所で、鹿児島県三島村が所有する通信用の光海底ケーブルを利用した短期の試験観測を行っており、データの品質等が、本研究で得られるであろうデータと同じようなレベルであることが予想されているため、解析におけるデモデータとして有効である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光海底ケーブルは東京都が所有しているものを利用するため、こちらから利用の申請後、東京都内で手続きが行われる必要がある。事前に、東京都との確認の際には、予定しているスケジュール通りで進められることを確認してもらっていた。しかしながら、東京都の担当部署内での検討の結果、手続きに当初には想定していなかった時間がかかることが判明したため、現地での作業の開始が遅れた。そのため、予算に関しても繰越手続きを行うなどの必要が生じ、当初の予定よりは、研究の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現地作業を予定している伊豆大島と三宅島の2カ所の手続きや作業を同時に行うことにより、東京都内での手続きの遅れによる研究の進捗の遅れは解消された。次年度以降においては、当初の計画通りに研究を進めることができる見込みである。
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