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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Strategy for biometallic implant design based on the control of cathodic reaction

Research Project

Project/Area Number 22H00265
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

藤本 愼司  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70199371)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 廣本 祥子  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (00343880)
土谷 博昭  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50432513)
宮部 さやか  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50584132)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsインプラント / 表面皮膜 / カソード反応 / 数値モデル / バイオ・メカノケミカル / 電気化学プロセス / アニオン
Outline of Annual Research Achievements

金属製インプラントの耐食性の向上を表面皮膜改質と数値計算に基づくインプラント形状最適設計手法の確立によって実現するために、検討項目を事象解明、表面改質、数値モデル化の3つに大別して研究を行うことにしている。本年度はインプラント上に生成する酸化被膜上でのカソード反応を模擬生体環境中で、研究代表者らが考案した電流制御分極法により評価するとともに、表面改質法として電気化学プロセスのひとつであるアノード酸化法により電解液中の化学種の取り込みによる酸化被膜の電子物性制御の可能性に関して検討した。模擬生体環境中でのアノード酸化によりチタン表面に酸化皮膜を形成して、その表面での酸素還元反応速度を模擬生体環境中での電流制御分極法により評価した結果、模擬生体環境で生成した表面酸化皮膜上では模擬生体環境でない場合と比較して、酸素還元反応が抑制されることが分かった。またホウ酸、リン酸またはモリブデン酸アニオンを含む電解液中でチタンのアノード酸化を行い、アニオンの取り込みによる酸化皮膜の電子物性変化について調査した。電子物性評価には電気化学インピーダンス測定から算出した皮膜の電気容量を用いたMott-Schottkyプロットを用いた。アノード酸化により作製した、いずれの酸化皮膜のMott-Schottkyプロットは正の傾きをもつ直線を示し、アノード酸化によりチタン表面に形成した酸化皮膜はn型半導体として機能していることが分かった。直線の傾きから算出されるドナー密度はアノード酸化電圧や電解液に含まれるアニオンの種類により変化することが分かった。このことからアノード酸化によりチタン表面に形成する酸化皮膜の電子物性を制御できることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の研究により、電解液に含まれるアニオンの酸化皮膜への取り込みにより皮膜の電子物性を制御できることが明らかとなった。すなわち電子が関与する電気化学反応である酸素還元反応も制御できる可能性が示唆された。また、腐食のカソード反応である酸素還元が模擬生体環境においても表面改質により抑制されることを明らかにしている。これらのことから表面改質の手法としてアノード酸化を中心に検討すれば、カソード反応に着目した「新しい概念」による金属製インプラントの模擬生体環境での耐食性向上の指針を構築できる基礎的検討を行うことができているといえる。アノード酸化により表面改質したチタン表面に関して模擬生体環境下での摩擦摩耗挙動を検討するためのシステムの構築に取り組むとともに、現象の数値モデル化のために必要な計算プロセスに関する検討を行っている。

Strategy for Future Research Activity

生体環境の模擬度をさらに上げた細胞培養下でインプラント材料の摩擦摩耗挙動およびフレッティング腐食疲労挙動を調査するための実験システム構築とその基礎的検討を行うとともに、表面皮膜の組成および構造、それらによって変化する電子物性がカソード反応特性に及ぼす影響を調査し、アノード酸化を中心とした表面皮膜改質によるカソード反応特性制御に関する検討を行う。インプラント上に生成する表面皮膜の組成・構造および物性とカソード反応特性の関連を明らかにして、電気化学プロセスに基づく皮膜改質によるカソード反応特性の制御について検討する。皮膜改質法としてアノード酸化を中心に検討する。これまでの研究により得た知見から、アノード酸化により電解液中の化学種が取り込まれた皮膜が形成し、皮膜の組成・構造が改質されると考えられるため、化学種の種類および濃度、さらに処理時間をさらに広範に変えて表面処理を行う。組成・構造の調査にはXPS, SEM, TEMやEDSなど各種表面解析技術を使用し、皮膜の電子物性には電気化学インピーダンス法・四端子電気抵抗測定法を用いて、カソード反応特性評価には電流制御分極法を用いて実施する。さらに数値計算モデルの構築も進捗させる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 不働態皮膜において生じる光電流過渡応答の数値シミュレーション2023

    • Author(s)
      金成哲、土谷博昭、藤本慎司
    • Organizer
      日本金属学会第172回講演大会
  • [Presentation] 中性リン酸緩衝溶液中で形成した純Cr不働態皮膜の半導体的性質2022

    • Author(s)
      金成哲、土谷博昭、藤本慎司
    • Organizer
      コロージョン・ドリーム
  • [Presentation] pH 7リン酸緩衝溶液中で形成した純Cr不働態皮膜のバンド構造2022

    • Author(s)
      金成哲、塙隆夫、真中智世、土谷博昭、藤本慎司
    • Organizer
      日本金属学会第171回講演大会
  • [Presentation] マウス骨芽細胞様細胞を含む模擬生体環境における純チタン上での酸素還元過程2022

    • Author(s)
      河内玲奈、宮部さやか、藤本慎司
    • Organizer
      日本金属学会第171回講演大会

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Published: 2023-12-25  

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