2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Curved Nanowires and Their Application to Nanotechnology
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22H00331
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢貝 史樹 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (80344969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫田 啓 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30452189)
五月女 光 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (60758697)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ナノワイヤー / ナノ構造 / 超分子ポリマー / 自己集合 / 超分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、メゾスケールロタキサンの「軸」となるナノワイヤー材料の開発を進めた。ナノワイヤーには剛性が必要であるため、分子の自己組織化の形態をチューブ状にする手法がふさわしい。そこで、当該研究室の主要分子骨格であるバルビツール酸系とハサミ型分子系の双方でチューブ状超分子ポリマーの創成に取り組んだ。新規分子デザインによって、発光性のアントラセンナノチューブ並びに励起子輸送能が期待されるクロロフィルナノチューブの合成に成功した。さらにこれらの材料は、形成時および形成してから時間発展的に螺旋構造を誘起することが原子間力顕微鏡観察および円二色性吸収スペクトルにより見出された。これは予想外の結果であり、今後この螺旋形成のメカニズムについて深く検討していく予定である。メゾスケールロタキサンの形成には螺旋表面での二次核形成を利用する。螺旋構造によって表面形状が変化するため、二次核形成の挙動も変化すると考えられる。 分担者である五月女は、ロタキサンの「環」となるナノリングの発光挙動について、時間分解傾向スペクトル測定を実施した。その結果、ナノリングの発光量子収率が対応する鎖状構造よりも高くなるメカニズムを解明することに成功した。現在論文を共同で執筆中である。 分担者である樫田は、六重螺旋構造を利用したナノワイヤーを調製するための配列合成を行った。人工核酸の鎖長を変化させて融解温度を測定したところ、鎖長に応じて安定性が変化することがわかった。現在これをナノワイヤー化するための条件検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
螺旋形成、正確には原子間力顕微鏡による螺旋構造の時間発展的形成に関しては、予想外の発見と言える。本来の目的であるメゾスケールロタキサンに関しては収率よく合成する手法をまだ見出すことができていないが、螺旋構造形成は非常に重要な科学的な発見であり、まずはそのメカニズムを解明していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、両ナノチューブ材料における螺旋形成のメカニズムを探ることを第一の目的とする。メゾスケールロタキサンの形成には螺旋表面での二次核形成制御が重要となる。螺旋構造によって表面形状が異なるため、この課題は非常に重要な研究項目となる。実際の手法としては、円二色性吸収スペクトルや分担者との共同による過渡吸収測定、時間分解発光測定等を予定している。また、ナノファイバー材料の水溶性化にも取り組み、分担者との共同による人工核酸塩基との融合に関しても精力的に研究を進める。
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Research Products
(67 results)