2022 Fiscal Year Annual Research Report
Improved resilience and novel functions of low-density porous materials via cross-scale structural control
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22H00342
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 和樹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (00188989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 主祥 京都大学, 理学研究科, 助教 (60452265)
長谷川 丈二 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (60726412)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低密度多孔物質 / ゾル-ゲル法 / エアロゲル / 階層的多孔構造 / 有機無機ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
低密度かつ階層的に多孔構造の制御された有機無機ハイブリッドゲルを作製するために、界面活性剤との協奏的メソ孔形成と、ゾル-ゲル転移に並行する広義のマクロ相分離を利用することを目的とした。シリカおよび架橋シルセスキオキサン系低密度ゲルの作製を基盤として、架橋ポリシルセスキオキサン系におけるマクロ孔構造の制御、特にメソ孔を内包する棒状骨格が連結した構造の階層的多孔構造の作製を行った。界面活性剤として非イオン性のPluronic P123を用いた。 TMOSおよびBTMEのゾル-ゲル反応系において、P123を用いたミセル鋳型法と相分離法を組み合わせることで、2次元ヘキサゴナル配列を有するメソ多孔構造を反映した棒状のゲル骨格が生成し、それらが3次元的に相互連結したマクロ孔構造を有するシリカゲルおよびPSQゲルを作製することができた。出発組成を調整することで、シリカ・PSQ両方の試料において、ほぼ同じバルク密度(0.16~0.17 g cm-3)の多孔質モノリスを得ることができた。また、尿素処理を施すことにより架橋密度が増加する一方、マクロ孔構造はほとんど変化しないことを確認した。 TG-DTA分析の結果、シリカゲルおよびPSQゲルの両方の試料で170 ℃付近でP123の燃焼による重量減少が見られたことから、共に3次元架橋ネットワークと線状高分子P123の複合体であることが確認された。また、重量減少量から推定されたP123の含有量から、尿素処理を行うことでP123の含有量が減少しており、高温における溶液処理によりP123の溶出が起こったことが示唆された。この結果から、シリカもしくはPSQと水素結合していたP123が高温で外れ、露出したシラノ―ル基が縮合して架橋密度が増大したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来限定的な報告が知られていた界面活性剤-シリカ系に加えて、エチレン架橋部をもつ架橋シルセスキオキサンにおいても、シリンダー状メソ孔を内包するマイクロメートル領域の棒状骨格が連結した構造の、低密度・階層的多孔構造ゲルを作製することができた。構造規定剤および相分離誘起剤として働く界面活性剤P123が、シラノール密度の高い架橋系では中心ケイ素の配位状態に関わらず同様な構造発現をもたらすことが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
有機架橋部のより長い(へキシレンあるいはフェニレン)架橋シルセスキオキサンにおいて、同様のメソ孔内包棒状骨格からなる、低密度階層的多孔構造ゲルの作製を試みる。また界面活性剤の構造と、構造規定・相分離誘起能との関係を、より詳細に明らかにして、広範囲の構造制御を可能とする指針を探る。
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Research Products
(21 results)