2023 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物の小胞体関連分解における小胞体内イベントの全容解明
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22H00407
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 和俊 京都大学, 理学研究科, 教授 (70182194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜷川 暁 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (80647991)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小胞体関連分解 / 構造異常の度合い |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体において構造異常となったタンパク質は細胞質へ逆向き輸送され、ユビキチン・プロテアソーム系により分解されて恒常性が維持される。この小胞体関連分解の哺乳動物における分子機構に関し、申請者は逆遺伝学を初めて導入し、分解基質認識の初期ステップである糖鎖プロセシングに関与する酵素がEDEM2およびEDEM3であると同定して従来のモデルを一新し、EDEM2が複合体として機能することを実証した。さらに、構造異常が顕著な糖タンパク質は、上記の糖鎖プロセシングを経ずに強制分解されることも見出した。本研究では、小胞体内で連続的に行われるイベントに割り当てられた分子が実際にどのように働いているのかを、構造異常の度合いによって分解経路が変わるという独自の視点下で、ゲノム編集法や生化学的手法により精緻に解析し、細胞にとって極めて有害なシビアな構造異常糖タンパク質をどう処理するか、その全容を解明することを目的としている。。 構造異常糖タンパク質にグルコースを再付加する UGGT1/UGGT2 が小胞体関連分解に及ぼす影響を明らかにするため、UGGT1/UGGT2 破壊細胞を作製して解析した。UGGT2 破壊細胞では影響は見られなかったが、UGGT1 破壊細胞では ATF6a の分解が顕著に加速された。同様に、構造異常糖タンパク質であるNHK, CD3d-△TM の分解も加速されたが、非糖タンパク質である NHK-QQQ の分解は加速されなかった。NHK 分解の加速には UGGT1 のグルコース付加活性が必要であった。一方、半減期の長いタンパク質のターンオーバーには影響しなかった。よって、UGGT1 による構造異常糖タンパク質のグルコース再付加とそれに続くカルネキシンサイクルは、糖タンパク質小胞体関連分解と競合関係にあると結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UGGT1/UGGT2 破壊細胞を作製して解析した結果、上記の結論が得られ、論文を投稿して審査された。
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Strategy for Future Research Activity |
UGGT1/UGGT2 の論文は eLife に投稿し、 Reviewed Preprint の状態になっているので、リバイズし、published の状態に持っていく。さらに、シビアな構造異常タンパク質を糖鎖非依存分解経路に回す Protein X の解析を進める。
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