2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of exposure to environmental chemicals on adolescent reproductive function, depression, and NCDs in the Hokkaido Study: Clarification of molecular mechanism
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22H00489
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸 玲子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, センター特別招へい教授 (80112449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 ちひろ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (70632389)
小林 澄貴 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (10733371)
伊藤 佐智子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (90580936)
山崎 圭子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (60732120)
アイツバマイ ゆふ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (90752907)
山口 健史 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (80894972)
田村 菜穂美 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (80836164)
齊藤 卓弥 北海道大学, 大学病院, 特任教授 (20246961)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 環境化学物質 / 出生コーホート / 青年期 / NCDs / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では20年間に渡り追跡している出生コーホート研究を用い、胎児期および生後の環境化学物質による曝露を含む環境要因による次世代影響の解明を目的として、将来の非感染性疾患(循環器疾患や糖尿病など)や神経発達障害、不妊を含むリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)、若年層で深刻な社会問題であるうつ等の精神疾患の早期兆候と環境要因との関連を明らかにする。 2022年度は、コーホートの参加者について12歳で第二次性徴に関する調査票1,279件、12歳で小学校の学校健診記録から転記する身長体重調査票1,352件、15歳で中学校の身長体重調査票1,440件を発送した。回収数は、8歳467件(回収率71%)、11歳761件(回収率59%)、12歳481件(回収率36%)、15歳556件(回収率39%)であった。郵送法で12歳の対象者から372件の尿試料を回収した。18歳の調査の本人の同意に関して1,411件の発送を行い、556件(回収率39%)の返送があり、同意312件、不同意244件を得た。 また、既に収集済みの7歳時の尿試料があった111名について、尿中の有機リン系農薬6化合物、ネオニコチノイド系農薬8化合物の代謝物濃度を測定した。測定対象となった111名の有機リン系農薬のうち、リン酸ジメチル(DMP)、リン酸ジエチル(DEP)、チオリン酸ジメチル(DMTP)が全ての検体から検出され、中央値濃度はDEP(5 ng/mL)、DMTP(3.7 ng/mL)、DMP(2.5 ng/mL)の順で高かった。また、ネオニコチノイド系農薬は、アセタミプリド代謝物のIM-2-1が全検体から検出されその中央値濃度は0.38 ng/mLであった。ジノテフラン(0.46 ng/mL、95.5%)、クロチアニジン(0.29 ng/mL、98.2%)であった。そのほかの化合物は0-45%の検出率であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模出生コーホートの調査継続、質問票の発送および回収に関しては概ね計画通りに進んでいる。青年期の対象者のリクルートを継続すると共に、青年期のアウトカムである主観的健康感、社会的問題行動の評価を行い、次年度の環境化学物質の曝露に関する生体試料の評価につなげる。 本研究で測定した111名の尿中有機リン系農薬およびネオニコチノイド系農薬の曝露濃度を先行研究と比較を行った。有機リン系農薬では、フランスの健常児約1000名、ニュージーランドの学童約900名の尿中濃度と比較してDMTPは低く、DEPは本研究集団の方が高かった。また、DMPはフランスの研究よりは高かったが、ニュージーランドの学童集団よりは低かった。ネオニコチノイド系農薬は、上海の7-11歳児約400名の濃度より低く、日本の乳幼児約1000名より測定された濃度よりも高かった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き出生コーホートの調査継続、青年期の参加者のリクルート、質問票の発送および回収、フォローアップの維持を継続する。2024年度は収集したアウトカムのデータをもとに、環境化学物質の曝露に関する生体試料の評価を行う計画である。最終的には、胎児期および生後の環境化学物質による曝露を含む環境要因による次世代影響の解明を目的として、将来の非感染性疾患や神経発達障害、不妊を含むリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)、若年層で深刻な社会問題であるうつ等の精神疾患の早期兆候と環境要因との関連を明らかにする。今回測定した7歳時点の尿中の有機リン系農薬、ネオニコチノイド系農薬代謝物濃度と13歳の脳波および8歳の注意欠如・多動症との関連について、学童期の農薬曝露による脳波への影響を明らかにする。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Associations between bisphenols and onset of puberty: the Hokkaido Study.2022
Author(s)
Ikeda-Araki A., Ait Bamai Y., Gys C., M Roggeman, Ikenaka Y., Yamaguchi T., Masuda H., Miyashita C., Nakamura A., Kitta T., Manabe A., Shinohara N., Covaci A., Kishi R.
Organizer
The 34th annual conference of the International Society for Environmental Epidemiology (ISEE2022).
Int'l Joint Research
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