2022 Fiscal Year Annual Research Report
無限次元統計モデルに基づくベイズ予測理論の構築とデータ解析手法の開発
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22H00510
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
駒木 文保 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (70242039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸星 穂積 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10272387)
村松 正和 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70266071)
田中 冬彦 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (90456161)
奥戸 道子 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (90887564)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ベイズ予測 / 統計モデル / 情報幾何 / 点過程 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,統計モデルに基づく予測に関する統計的決定理論の構築とそれに基づく統計モデリングおよびデータ解析手法の開発に焦点を当て,研究を進めている.まず,脳神経科学など非常に広い応用分野で重要となる高次元多変量正規分布の分散共分散行列の予測の重要性に着目した研究を行なった.Wishart分布のベイズ予測分布を Kullback-Leibler ダイバージェンスを用いて評価するとき,Wishart分布族の特性を利用してベイズ予測分布のリスクを分解する手法を提案した.さらに,標準的な無情報事前分布を含む新たな事前分布族を導入し,標準的な無情報事前分布に基づくベイズ予測分布の性能と比較して,無情報事前分布を優越する事前分布の存在を明らかにした.これらの成果は学術論文として発表されている.さらに,脳神経科学・地震学などで重要となる点過程のデータ解析において基本となる,ガンマ分布と逆ガウス分布モデルに着目した.これらのモデルにおける予測密度について研究を進め,これらのモデルにおいては正規モデルやポアソンモデルで重要な役割を果たしているベイズ予測とパラメータ推定の基本的な関係が成り立たないこと.及び対応するレヴィ測度の推定が重要な役割を果たしていることを示すとともに,レヴィ測度の情報幾何学の構想について国際会議で発表を行った.これらの成果は、統計モデリングとデータ解析の分野における、複雑なデータ構造を持つ問題の予測を改良する指針を与えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応用上重要な統計モデルに基づくベイズ予測についての理論的結果が得られたのとともに,点過程モデルにおけるベイズ予測とレヴィ測度の関係,レヴィ測度の情報幾何の構築について新たな方向性が見出されたため..
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Strategy for Future Research Activity |
高次元,無限次元の統計モデルのベイズ予測について研究を進める.特に点過程モデルのベイズ予測とレヴィ測度の情報幾何学の理論研究を進めると共に,統計モデリングに基づくデータ解析に結びつけることを目指す.
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