2022 Fiscal Year Annual Research Report
状況認知と問題解決の双方向創発による深層模倣学習の省データ化と高汎化性達成
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22H00528
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國吉 康夫 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (10333444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長久保 晶彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (00357617)
大村 吉幸 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任研究員 (10598022)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 深層模倣学習 / 注視制御 / 物体操作スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
人の器用で臨機応変な物体操作能力をロボットで実現することを目的として、モデル化困難な対象物体の操作を深層模倣学習によって実現する方法論を明らかにすることが本プロジェクトの目的である。 本年度は、遠隔操縦システム、遠隔ロボット、ロボットの視覚情報を提示するためのHMDシステム、人の遠隔操縦時の視線情報の計測を可能とする深層模倣学習プラットフォームを用いて、バナナの皮むきを実現した。バナナは、個体差が大きく、いままで模倣学習で実現されてきたどのタスクよりも、汎化が困難であるタスクとして設定した。注視制御を用いてタスクに重要な特徴を抽出し、素早いフィードバック制御を行うローカル動作と、大雑把にゴール状態に向けた軌道を生成するグローバル動作を組み合わせることで、模倣学習を実現した。 現状のプラットフォームは、外力が加わると安全制御によって止まってしまうという課題があり、力制御やインパクト動作などには不向きである。そこで、ダイナミックドライブモータを用いた低減速比のロボットアームシステムの開発を行った。 また、深層模倣学習では、大量のデータが必要という問題が存在する。そこで、環境を理解するための表現学習に関する研究も行った。我々は、従来の表現学習で用いられる統計的独立性を一般化する独自の手法によって、表現学習の理論構築と実証実験を行った。また、開発した手法を、シミュレーション上のステレオ画像に対して適用し、三次元空間の表現学習に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度当初予定していた、食品加工の深層模倣学習としてバナナの皮むきの実現の模倣学習を着手し、予想以上に進展し、模倣学習を達成し、プレスリリースおよび論文の投稿を行った(条件付き受理)。また、力制御可能なロボットシステムについても、開発を行った。開発したロボットアームは、遠隔操縦用と遠隔ロボット用の2台から構成され、遠隔操縦を行ったが、制御システムの遅延が大きく、改善が必要なことが明らかとなった。そこで、来年度、新たに新規の制御システムの開発を行う。表現学習に関しても、新しい理論のために試行錯誤が多くあるが、順調に実験を重ね、当初予定通りに三次元空間の表現学習実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
深層模倣学習で過去に達成されたことがないレベルの多様性を含む対象物体に対して物体操作を実現したが、現状のロボットシステムは、タスクごとに異なるニューラルネットワークを学習させている。より汎用性を高めるために、より多くの物体操作を単一のニューラルネットワークで学習させることを計画している。先行研究によると、より多くの対象物体を含むほうが汎化性が高くなることが示されているが、複雑な物体操作を含んでいないという問題点があった。そこで、新たに、大規模模倣データセットを作成する。これは、我々が有する独自の深層模倣プラットフォームが模倣データの取得の効率が極めて高いことから、従来より短時間に高い質のデータを集めることができることが見積もられている。また、力制御ロボットプラットフォームに関しては、制御システムを新規に開発することで、遅延なく遠隔操縦が可能となるようにする。また、バイラテラル制御の有効性の検討なども行う予定である。表現学習に関しては、複数物体の表現学習や時間方向への拡張、実世界応用へ向けた検討、などを行う予定である。
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