2022 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習に基づいた未言語事象の理解と説明に関する研究
Project/Area Number |
22H00545
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐川 立昌 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (30362627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉安 祐介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10712234)
高野 渉 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任教授(常勤) (30512090)
鮎澤 光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60649086)
今村 由芽子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60760436)
山野辺 夏樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90455436)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 未言語事象 / 人の行動モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械学習による主要な認識タスクの1つは、入力データに対応するラベルの推定問題であるが、現実世界では自然言語で説明し難い事象が多くあり、推定すべきラベルを適切に設定できないことがある。本研究課題では、明示的にラベルと対応付けられない事象を「未言語事象」と呼ぶことにする。未言語事象における各個人固有の理解モデルを観測データから構築し、することによって、教師なし学習に基づいて構造化した理解モデルを、言語を介せず説明、比較する手法の実現を目指す。 本年度は、未言語事象の理解モデルを構築する方法として、同一の行動を含む行動データを観測し、データ内に共通する要素を抽出する手法の研究開発を行った。環境の観測によって得られる時間的に連続量であるセンシングデータに対して、アテンション機構に基づいて特徴量を抽出し、その特徴量を量子化するステップと組み合わせることによって、離散的な構造表現となる構成要素の状態を抽出する方法を研究した。また、様々な行動に関するデータを対象とするために、本年度は身体動作、注視行動、視野情報、筋活動状態、ロボット操作データなどを入力として、カメラによる視覚情報と、人が機器や道具を操作して得られる操作データなどマルチモーダルなデータを利用した機械学習の実験およびデータ収集を行った。また、画像から身体の位置姿勢を推定する手法、身体動作モーションキャプチャデータと筋電位計データを組み合わせた筋活動状態の推定手法の研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、データ内に共通する要素を抽出する手法の研究について、概ね計画通りの進捗を得た。環境の観測によって得られる時間的に連続量であるセンシングデータから、離散的な構造表現となる構成要素の状態を抽出する方法として、アテンション機構に基づいて特徴量を抽出し、その特徴量を量子化するステップと組み合わせることによって、離散的な構造を抽出する手法を提案した。この手法について国内会議において発表を行い、現在論文誌に投稿中である。また、身体の動作の表現と生成法や、身体と環境のインタラクションが生じる場合について研究を行い論文誌、国内会議に投稿中である。さらに、画像から身体の位置姿勢を推定する手法の研究を行い、国際会議において発表予定である。様々な行動に関するデータを対象とするため、身体動作モーションキャプチャデータと筋電位計データを組み合わせた筋活動状態の推定の研究や、アイトラッカーを用いた計測による注視行動のデータ取得法の研究を行い、カメラによる視覚情報と、人が機器や道具を操作して得られる操作データなどマルチモーダルなデータを利用した機械学習の実験およびデータ収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度研究開発を行ったデータ内に共通する要素を抽出する手法について、次のステップでは、さらに多くのドメインのデータに対して適用し、その応用可能性について検討を行う。提案した機械学習のネットワークについて、異なるドメインのデータに適用し、それぞれ構造抽出できることを確かめているが、その構造が最適であるかどうか検討の余地があり、これまでに収集したデータおよび公開されているデータセットに対して今後継続して応用可能できることを調査する。また、開発した計測法を用いてデータ収集を今後も継続して行う予定である。自前でのデータ収集に加えて、公開データセットを用いた評価や、他の研究グループの協力を仰いで、人の行動モデリングに利用可能なデータセットを増やしていく方針である。
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