2023 Fiscal Year Annual Research Report
尾瀬ヶ原湿原におけるシカ個体数推定手法の開発及びその実用化
Project/Area Number |
22H00576
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
沖 一雄 京都先端科学大学, 工学部, 教授 (50292628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 雅康 福島大学, 食農学類, 教授 (50375391)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マイクロフォン / ドローン / VTOL / 熱赤外カメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本最大の山岳湿原として知られている尾瀬ヶ原湿原において、複数のマイクロフォンセンサと熱赤外カメラを搭載したドローン(UAV(無人飛行体))センシングを用いてシカの動きに影響を受けにくく、人による踏査が難しい湿地帯でも高精度にシカの個体数を評価する手法開発を実施する。具体的には、①複数マイクロフォンによる個体別推定手法の開発、②熱赤外搭載ドローンによる夜間の自動抽出手法の開発を実施し、③長期的な観測による尾瀬全域のシカの個体数推定の誤差評価をおこなうことで、最終的に湿原域におけるシカ個体数推定手法の提案をおこない、個体群管理に向けた個体数推定手法及び効果的な捕獲手法の開発に貢献する。 本年度は、本研究の目的を達成するために下記の2つのサブテーマを実施した。 ●サブテーマ(1)複数マイクロフォンによる個体別推定手法の開発では、昨年度設置したマイクロフォンによるシカの鳴き声データを継続して観測した。また、個体が分かっているシカの鳴き声を用いて昨年度から開発しているシカの個体別推定手法の精度評価を実施し、より高精度な数理モデルを開発した。さらに、昨年に引き続き調査地内のオスメス比やマイクロフォンで推定された個体数を検証するために既存手法の自動撮影カメラを利用した個体数推定をおこなった。その結果、シカの個体数は昨年より少なくなっている可能性を示した。 ●サブテーマ(2)熱赤外搭載ドローンによる夜間のシカ自動抽出手法の開発では、ドローンを用いた空撮を実施してシカの空撮熱画像を収集し、ディープラーニングによるシカ個体抽出の特定精度の向上を試みた。さらに、特定したシカの位置の自動マッピングと重複するシカ個体の除去の自動化についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R5年度の研究計画に対して概ね予定通り順調に実施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は下記の研究を実施する予定である。 ●サブテーマ(1)複数マイクロフォンによる個体別推定手法の開発では、昨年度に続き 初年度に設置したマイクロフォンによるシカの鳴き声データを継続して観測し、シカの個体数を評価する。また個体が分かっているシカの鳴き声を用いて初年度から開発しているシカの個体別推定手法の精度評価を実施し、より高精度な数理モデルを開発する。さらに、引き続き調査地内のオスメス比やマイクロフォンで推定された個体数を検証するために既存手法の自動撮影カメラを利用した個体数推定を行う。 ●サブテーマ(2)熱赤外搭載ドローンによる夜間のシカ自動抽出手法の開発では、継続してドローンを用いた空撮を実施してシカの空撮熱画像を収集し、ディープラーニングによるシカ個体抽出の特定精度の向上を図る。さらに、特定したシカの位置の自動マッピングと重複するシカ個体の除去の自動化についても検討する。また、従来法であるライトセンサス法によるシカ個体の特定数と位置と比較も継続して実施する。
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