2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bioinert hierachical materials for exploring cellular mechanosensing of liquid scaffolds
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22H00596
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 淳 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (60360608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上木 岳士 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (00557415)
宇都 甲一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 独立研究者 (30597034)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 液々界面 / 細胞接着 / ナノ薄膜 / バイオイナート |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は一般に細胞培養に用いられる固体基材の代わりに,水と二相分離する疎水性液体の界面で細胞培養を行う技術の開発に取り組んでいる。本研究では,液々界面に付着する細胞のメカノバイオロジーを探究するために,界面にバイオイナートな界面活性剤を被覆した階層型材料を開発することで,単独~集団状態の細胞の接着・培養に必要とされる液体足場の力学刺激を特定しつつ,液体の特徴を活かした画期的な培養システム開拓のための学術・技術基盤を築くことを目指している。初年度は,水/パーフルオロカーボン界面にバイオイナート分子としてリン脂質を修飾した界面材料の開発に取り組んだ。 水/パーフルオロカーボン界面の水相側にリン脂質リポソームを添加することで,界面にリン脂質単分子膜の修飾を施した。パーフルオロカーボンの種類ならびにリン脂質の飽和/不飽和度を変えることで、界面張力が変化することを懸滴法で確認した。また、FRAP法ならびに界面レオロジー測定により、面内の分子拡散およびせん断方向の力学特性を評価した。またバイオイナート性については蛍光標識ウシ血清アルブミン(BSA)の吸着抑制によって確認した。実際に,この界面に細胞を播種すると,細胞接着性のRGDペプチド修飾リン脂質を含有させた場合のみ細胞が接着でき、それを含まない場合はフィブロネクチンを添加しても界面に細胞が接着できないことを確認した。以上より、界面の力学特性を操作可能なバイオイナートな液体界面材料の開拓に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の核心となるバイオイナートな液々界面の開発に成功した。被覆分子や下層液体の種類を変えることで、界面の力学特性を制御できることを確認でき、液々界面に付着した細胞のメカノバイオロジーを探究するプラットホームが構築できた。次年度以降、この材料を用いた解析的研究を進めるとともに、液体の種類を拡充してバルクの力学特性を操作できるようになれば、液々界面における階層的力学刺激の影響を詳細に解析できるようになる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に開発に成功したバイオイナート液々界面培養系の上での細胞の接着挙動の解析を行う。具体的には界面に被覆したRGD密度の影響の評価やアクチン・界面のダイナミクスなどの解析などに取り組む。これらが界面の力学特性によってどのような影響を検討する。それと同時に、液々界面におけるバルクの力学特性を操作するための液体材料の検討も進める。
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