2022 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモーダル・リテラシーの育成を目指した学習プログラムの開発
Project/Area Number |
22H04062
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Research Institution | 宝塚市立末広小学校 |
Principal Investigator |
増永 雄一郎 宝塚市立末広小学校, 小学校 教諭
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マルチモーダル・リテラシー / マルチモーダル・テクスト / 動画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マルチモーダル・テクストである動画を取り上げ、テクストそのものの特性を理解したり評価したりする能力であるマルチモーダル・リテラシーの育成を目指した学習プログラムの開発である。 まず、Story Shorts(2001)を検討対象として取り上げた。その結果、①「動画の言語」のうち、「音響」、「色彩」、「カメラ」の3つが動画を読解する上で必要不可欠な要素であること、②動画を構成する要素に分け入る読みを可能とするテクニックがあること、③動画を用いた言語活動では、インプットの材として動画を用いつつもアウトプットには言葉が設定されており、登場人物像を考える、登場人物の心情を想像する等、従来的な国語科学習と重なる言語活動が行われていること、④動画から言葉を生み出すプロセスは、小学校学習指導要領解説(国語編)に示されている「情報の扱い方に関する事項」に通ずる部分があること、以上の4点が明らかとなった。 次に、未知数の動画から学習材としての可能性を探る研究を行った。短編アニメーション『つみきのいえ』を選定し、動画特有の聴覚情報(効果音、背景音)やカメラワーク、ショット、作品の制作過程といった多角的な視点から分析を行った。そして、明らかとなったことを踏まえて、複数の学習展開例を考案した。 続いて、学校教育現場で動画を学習材とした学習プログラムを実施した。その結果、動画を学習材とした学習プログラムの可能性として、①活字テクストを対象とした読みと重なる思考活動が見られること、②活字テクストを対象とした読みでは実現できない読みが行われること、③学習意欲の向上につながること、以上の3点が明らかとなった。
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