2022 Fiscal Year Annual Research Report
有機質肥料活用型養液栽培による窒素循環観察型教材の開発
Project/Area Number |
22H04069
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
舟洞 久人 福井工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 窒素循環 / 硝酸化成 / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
窒素は生体分子の構成要素であり、生態系の物質循環において重要な役割を果たしている。また、窒素肥料の利用により食料生産が増えた一方、過剰な窒素流入により環境問題が発生している。このため、窒素循環に関する理解を深め、環境問題に取り組むことができる教育活動を行うために窒素循環の体験教材の作成が重要である。 このテーマでは、有機質肥料を使った養液栽培の手順の中で、耕水過程に焦点を当てている。耕水過程では、微生物群(バイオフィルム)が有機質肥料を分解し、硝酸態窒素を生成するが、筆者が以前行った実験では硝酸生成が一ヶ月程度と長期間に渡る場合があるという課題があった。そこで、本研究では新たな微生物源を使い、耕水過程を短縮する実験を行った。 実験結果では、サンヨーバークという微生物源を用いてアンモニアから硝酸への変換が進むことが確認された。また、この過程で生成する微生物群(バイオフィルム)を乾燥させたものを再度微生物源として利用すると、有機質肥料の無機化を効率的に行うことができました。しかし、アンモニアが完全に消失しなかったため、栽培に利用する場合には、有機質肥料の添加量を減らすか培養液を希釈する等が必要となる可能性がある。 今後の展開としていくつか考えられることは、一つに施肥期間の短縮や他の有機質肥料の無機化について実験を行い、微生物による分解についての理解を深めることである。また、葉物野菜等の作物の栽培を行うことで、窒素の循環についてより進んだ教材開発につなげていくことが期待される。
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Remarks |
令和4年度教育研究支援センター発表会
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