2022 Fiscal Year Annual Research Report
AR(拡張現実)を活用した小学校英語教育の指導法の開発
Project/Area Number |
22H04118
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
宮崎 慶子 近畿大学, 附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童英語教育 / AR(拡張現実) / 英語科指導法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学校英語教育の授業において、AR(拡張現実)を活用することで、物事を視覚的・体験的に捉え、理解の定着がより深く図れることを明らかにすることが目的である。AR を活用した先行研究における英語教育では、児童自ら作成した画像を活用すると英語に好意をもつ割合が高くなり、学習システムに児童の創作活動を取り入れることで学習効果を高める可能性がさらに高まったと報告されている。そこで、描いた絵や作成した図を AR として表せる”ARMakr”アプリを活用し、児童の創作活動に重点を置いた実践研究を行った。 第4学年では、in, on, under, next to, in front of, behind, betweenの 7 つの前置詞を学習した後、AR Makr を使い、聞き取った英文に必要な画像を選択し、 配置を考えながら、iPad のカメラで撮影する活動を行った。これらの活動を反復することで、前置詞のコアイメージを掴み、場所を表す前置詞の使い方や意味の定着を深めていった。また、児童自身や友達が映り込むことで現実感を味わわせ、英文に必要な具体物の位置を友達と操作しながら、どこに物を配置すればその意味を表す文章になるか、対話しながら前置詞の使い方を学習した。 その結果、授業後の振り返りでは約72%の児童がWhere isを使って、物の場所を尋ねることができるようになったと回答し、約71%の児童が物の場所を英語で説明できるようになったと答えている。さらに、AR Makrを使って物を配置する活動が楽しかった答えた児童は94%にのぼり、授業では友達と対話を深めながら主体的に創作活動に励む児童の姿が見られた。また、学年で実施した前置詞の定着を図る単元テストでは、昨年度より4クラスの学年平均点が2点向上した。このことから、ARの活用によって前置詞への理解がより深まったと考える。
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