2022 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の単独歩行におけるナビゲーションシステム活用の有用性
Project/Area Number |
22H04122
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 北斗 筑波大学, 附属視覚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 視覚障害 / 歩行 / ナビゲーションシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究目的 本研究では、視覚障害者の単独歩行において、白杖の使用に加え、音声ガイダンスによるナビゲーションシステムを利用することで、慣れない環境下でも安全で効率的な単独歩行が可能であるかを検証することを目的とする。 2.研究方法 (1)被験者に住宅地や混雑地等様々な場所での歩行経験があるか、ナビゲーションシステムを活用した単独歩行の経験の有無、ある場合には目的地に問題なく着くことができたか、困ったことや課題と感じたことがあるか等を調査した。(2)ナビゲーションシステムBlindSquare及びSunu Bandsを用いた実験を行い、ナビゲーションシステムを活用して視覚障害者単独での歩行が可能かを検証した。「ナビゲーションシステムを使用せず実験者から口頭でルートを聞いた上で歩行」と「ナビゲーションシステムを使ってルート検索から案内に従った歩行」の2条件で検証した。実験後、被験者にはナビゲーションシステムによる音声ガイドのわかりやすさ、選定したルートの歩きやすさ、目的地に困難なく歩行できたか、方角、距離、時間(目的地までの総時間と経過時間)、店舗の情報等の情報が有益かの使用感等を確認した。また、2条件での所要時間と実際の目的地とナビゲーションシステムが示した目的地との距離に差異がないかを計測した。 3.結果 (1)は10名中8名が使用の経験があり、目的地までのルートの複雑さや目的地にたどり着けないといった経験があった。(2)の2条件のうち、所要時間に大きな差はなかったが、ナビゲーションシステムの案内に従った目的地と実際の目的地では、平均31.1mの差があり、4名が目的地に到着できなかった。選定したルートの歩きやすさや方角、時間、店舗の情報等の情報は全員が有益だったと回答した。ナビゲーションシステムが示す目的地と実際に誤差が生じたことは今後の課題点として追究する。
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