2022 Fiscal Year Annual Research Report
小学校の通常の学級における病弱教育の推進に関する研究
Project/Area Number |
22H04125
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Research Institution | 長野県塩尻市立桔梗小学校 |
Principal Investigator |
田中 亮 長野県塩尻市立桔梗小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校 / 通常の学級 / 病弱教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校の通常の学級における病弱教育の推進に向けた視座を明らかにすることを目的とし、まず、小学校の通常の学級における病弱教育の推進状況に関する実態調査を網羅的に行った。その結果、研修効果の実証と入院児童や病気による長期欠席児童への教育的支援への課題が明らかとなり、推進のプロセスと資するのは,教職員の資質能力の向上と多職種連携・協働が教育的資源(リソース)になることが示唆された。 さらに、校外研修,校内研修、多職種連携・協働それぞれの実態に関する調査を行った。その結果、校内研修と校外研修のリンクや教職員の個と学校全体のそれぞれの学びが還流型に深まり、資質能力を共同構成的に向上させていくことにつながることが明らかとなった。また、多職種連携・協働については、支援員、看護師免許を有する教職員,学校給食職員のそれぞれを対象としてさらに掘り下げて,それら職種による支援の成果と課題を調査することで専門性の探索を行った。その結果、「基礎的」「潜在的」「現代的」の非常に多くの職種がかかわっており,それぞれの有する高度な専門性が明確化されるとともに、多職種連携・協働を基盤的な支援システムに参画させていくことで,役割の拡大・派生が生じ,発展的な体制の構築につながり得ることが示唆された。 これらの知見を総合し、現行の法令・通達において現実的な視点で病弱教育を推進するために「小学校の通常の学級における病弱教育推進パッケージ」を本研究課題の検討をもとに作成した。これにより,各学校の実情に合わせた現実的な取り組みの指針・方策を提案することが可能となった。なお、病弱教育推進パッケージは教育関係者への配布を行ったが、それとともに、今後も広く公表し、通常の学級の病弱教育の推進に資するものとしていく予定である。
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Research Products
(7 results)