2022 Fiscal Year Annual Research Report
無自覚な不安全行動を気づかせ危険感受性を養う、危険回避ナッジシステムの開発と導入
Project/Area Number |
22H04138
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
福田 龍一 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 危険感受性 / 旋盤 / 機械実習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、学生の危険感受性が鈍くなっていると感じる。本件は機械実習を行う学生に対し作業中の無自覚な危険行動を自覚させ、危険感受性を高めるための「危険回避ナッジ(Nudge)システム」を開発することを目的とし実施した。ナッジ(Nudge)とは強制するのではなく自分自身にとってより良い選択ができるように手助けすることを指し、危険から守られるだけだった「作業者」を、危険な状況に気づき安全な環境を維持できる「技術者」として養成できるようなシステムとする。また本件は旋盤作業を対象とし実施した。旋盤は回転する材料に刃物を接触させることで切削を行う工作機械である。本校の機械実習における加工方法は機械による自動送りではなく手送りでの方法を採用している。これは材質や回転数、送り速度の変化による切削抵抗を感じ取ることを重要視しているためである。機械の操作ミスによる危険や巻き込まれに繋がる危険行動など、旋盤作業に潜む危険は多数ある。これらを検知できるよう各部にIoTセンサーを設置、検知した危険行動は下記の方法によって作業者へフィードバックするようなシステムを開発した。 ①腕時計型ウェアラブルデバイスによる通知 ②危険行動を項目化し表データとして集計 ③作業者の俯瞰動画を撮影、前後の作業との関連性の確認 無自覚な「危険行動を自覚」させ、振り返りにより「危険感受性を高める」ことができる「危険回避ナッジ(Nudge)システム」を開発し、安全面や使用感については使用テストによるその効果の妥当性を確認した。今後、実際に授業等へ導入するには使い勝手の面において検討、改良してくことが求められる。またこれらの内容をまとめ、「第14回高専技術教育研究発表会in木更津」にて報告を行った。
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Research Products
(2 results)