Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
現在、悪性腫瘍、先天性疾患、交通外傷などが原因で、顎顔面部に欠損が生じた場合、補綴物修復法としてシリコン製のエピテーゼが用いられている。しかし、現状のエピテーゼには、健側の目と同期して瞼を瞬きさせる機能があるものは存在せず、不自然さがあり、患者の精神的な苦痛は改善されず、社会復帰を阻む要因となっている。一方、ヒト型ロボットや動物型ロボットでは、瞬き機能を取り入れたものがある。しかし、頭部全体に多くの機械部品が組み込まれており、これを薄型のエピテーゼに導入することは容易ではない。本研究では、3Dプリンターを用いて健側の目と同期して瞬きと眼球運動をするエピテーゼの開発に係る試作及び改良を行った。
歯科技工
本試作品が実用化されれば、福祉のみならず、全世界に先駆けて画期的なエピテーゼとすることができるため、社会的な意義は極めて高く、技術力の向上にもつながり、ここで培う技術はロボット産業や高齢者福祉などの分野へ波及させることもできる。尚、本研究を遂行するにあたり、医師、歯科医師、患者の同意や設備等は確保されており、研究環境は良好であった。