2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H04225
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
浦 恵里夏 富山高等専門学校, その他部局等, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 流体解析 / 旋回 / 回頭 |
Outline of Annual Research Achievements |
船舶は四方を流体に囲まれ、常に風向、風速、潮流等の影響を受けているため、安全な航行や船位を保持するには、船舶の運動や外力との関係を把握することは大変重要である。船舶に舵角を与えると船尾の舵に揚力が発生し、船尾が横方向に運動する「回頭」を始め、船体はその影響で水流に対し迎角が生まれ、舵揚力とは一見逆方向の揚力が発生し「旋回」という大きな円運動を始める。誰も取り残さない教育の推進を基に、学生が直感的に把握し難い「回頭→旋回」に至る運動を、模型実験と数値解析の視点から視覚情報を取得、教材提供し、動的な流体現象の理解促進を目的とする。 舵揚力の大きさと方向を確認するため、小型回流水槽のサイズを元に実験装置の製作を行い、舵角0度から50度まで変化させ観測を行った。また、流体解析ソフトを用い実験で使用する舵と同形状の舵を解析領域に置き、実験と同条件で解析を行い検証し、舵の改良を行った。取得したデータから「回頭→旋回」に係る性能特性図の作成や、流場における流体力が可視化できる画像資料作成を試みた。 模型実験と流体解析を行い、舵に舵角を与え船尾と船首は逆方向に圧力が作用する結果を得た。また、船体単独で迎角を与え船体自身に揚力が発生する結果を得た。「回頭→旋回」の運動は、変針初期に横滑りが起こった後、定常旋回運動へと変化する、複雑な運動が行われている。その中の変針後の船首・船尾の圧力に着目した可視化教材の作成に取り組んだ。目視できない力を把握するためには想像力を膨らませる必要があるが、圧力や流れを可視化することで想像を補うことができ、理解向上につながる取り組みとなった。
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