2022 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析リン酸化プロテオーム用いた微量機能タンパク質の評価検討
Project/Area Number |
22H04275
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷 直紀 熊本大学, 技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 質量分析 / リン酸化ペプチド / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 転写・翻訳後タンパク質による生体の調節機能や動的性質にスポットライトが当てられ、質量分析計を用いたタンパク質の翻訳後修飾による調節機構を解明する研究が盛んに行われている。特にリン酸化ではごく微量な変化が生体の調節機構に深く関わっていることが多く、本研究では試料中の微量なリン酸化ペプチドを効率的・選択的に測定し、リン酸化ペプチド検出から機能タンパク質の解析限界を評価する。 【研究方法】 微量なリン酸化ペプチドを効率的・選択的に測定の評価を行う。市販HeLa細胞由来のトリプシン消化物(Pierce HeLa Protein Digest Standard)を用いて実験を進め、市販合成リン酸化ペプチドを混合することにより検出評価を行う。一方、リン酸化ペプチド精製・クリーンアップキットを用いた場合の比較実験も行う。分離カラムの溶出グラジエントも工夫を加えた実験を進めた。 【研究成果】 網羅的解析ではごく僅かなサンプル量にて測定解析が可能となっているが、翻訳後修飾の解析では大量のサンプルを投入する必要がある。カラムの試料負荷量が最大に近い投入が必要であったが、数時間単位の分離溶出グラジエント用いることでリン酸化ペプチドの修飾解析が可能となった。一方、リン酸化ペプチド精製・クリーンアップキット用いた比較実験の方が、微量タンパク質のリン酸化修飾の網羅的評価には有効であった。リン酸化ペプチド精製の有無による実際の生体内の調節機構に関わる微量タンパク質への比較評価までできなかったため、引き続き微量タンパク質の評価を目指し、実験を継続して行く予定である。
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