2022 Fiscal Year Annual Research Report
レプチン受容体が脱落膜形成に及ぼす影響:翻訳抑制がもたらす妊娠プロセスの成功
Project/Area Number |
22H04277
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
茂川 拓紀 高知大学, 設備サポート戦略室, 技術職員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脱落膜形成 / LepR / PDCD4 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠における様々な過程において、レプチン(Lep)/レプチン受容体(LepR)シグナル伝達が貢献していることが報告されているが、脱落膜形成に関する子宮内Lep/LepRシグナル伝達の役割については、未だ不明瞭である。先行研究として、我々はその役割を明らかにするために、マウス胚の着床前後における子宮内LepR発現を解析した結果、Lep/LepRシグナル伝達が脱落膜形成過程で機能する上で、LepR mRNAの転写後調節がなされている可能性を見出した。そこで我々は、翻訳抑制因子PDCD4が子宮内LepR mRNAの翻訳抑制を介して、子宮内LepRタンパク質発現を制御していると仮説を立てた。本研究では、RNAi投与による子宮特異的PDCD4ノックダウン(KD)マウスを用いて脱落膜形成過程における子宮内LepRの転写後調節機構について解明を試みた。 子宮内へのsiRNA投与によるin vivo KDを利用して、着床前後におけるPDCD4およびLepR欠損の表現型解析を実施した。マウスを交配させ、翌日、膣栓が観察された雌マウスをD1とし、D3の片側の子宮内にPDCD4もしくはLepR siRNAを投与した。もう一方の子宮は、対照群としてNegative Control siRNAを投与した。D6-12の着床部位(IS)を採取し、IS数、HE染色およびKi67発現を解析した。その結果、siRNA投与によるIS数およびKI67発現に有意差は認められなかった。しかし、それぞれのsiRNA投与子宮において、共にISの着床障害および脱落膜の奇形性が観察された。このことから、脱落膜形成過程において、子宮内LepRはPDCD4と相互作用している可能性が考えられた。今後は、子宮内PDCD4とLepRの関係性を明らかにし、脱落膜形成過程における子宮内LepRの翻訳抑制因子について解明する。
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