2022 Fiscal Year Final Research Report
経口抗菌薬による腸内細菌叢の変化に伴うグリチルリチン酸の吸収に与える影響の解明
Project/Area Number |
22H04285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3170:Environmental and natural pharmaceutical resources-related
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
Kawazoe Tetsushi 徳島文理大学, 薬学部, 准教授
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グリチルリチン酸 / 経口抗菌薬 / 腸内細菌叢 |
Outline of Final Research Achievements |
医薬品副作用データベースを用いて、グリチルリチン酸(GL)含有漢方薬を服用している患者における偽アルドステロン症発症を低下させていると予測される経口抗菌薬を抽出した。LPS腹腔内投与による神経炎症モデルマウスに対し、GL、ジアゼパムおよびペントバルビタールを腹腔内投与し、正向反射消失作用持続時間(LORR-time)を測定した。データベース解析により抽出した抗菌薬の前投与群ではLORR-timeは延長した。抗菌薬非投与群ではLORR-timeは延長しなかった。以上よりこれらの抗菌薬は腸内細菌叢に影響を与え、GLからグリチルレチン酸(GA)への代謝を妨げ、GA吸収を低下させることを明らかにした。
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Free Research Field |
環境および天然医薬資源学関連
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
GLは、GAに代謝されることで肝障害や認知機能障害に対して有効性を示すが抗菌薬の影響によりその薬効を失う可能性を示唆した。 一方、過剰に吸収されると重篤な副作用を呈する可能性もある。GLの薬物動態を予測することはGLを主成分とする甘草含有漢方薬の薬効及び副作用の予測にもつながり臨床上重要であると考えられる。
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