2022 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグデータ解析と基礎研究の融合によるICI治療抵抗性克服へ向けたアプローチ
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22H04290
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 俊介 徳島大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / 遺伝子発現データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
癌薬物療法のキードラッグとなった免疫チェックポイント阻害剤 (Immune checkpoint inhibitors: ICI) を用いた治療では、従来の化学療法よりも長期奏功を得られる癌患者が著しく増加した一方で、早期のICI治療抵抗性により癌の進行を食い止められず予後不良となるケースが40%以上存在すると報告されている。ICI治療抵抗性の主な原因は、免疫チェックポイント分子以外に多数存在する治療抵抗性遺伝子が同時多発的に発現している点にある。したがって、ICI治療抵抗性による予後不良を回避するためには、治療抵抗性に関わる全ての遺伝子を標的にする必要があるが、一つの薬剤で作用させることは困難である。この問題を解決する手法として、治療抵抗性遺伝子を抑制する薬剤を組み合わせて併用することで、多数の治療抵抗性遺伝子を網羅的に抑制し、ICI治療抵抗性を克服できると着想した。 本研究では、遺伝子発現データベースを用いた多層的データマイニングによりICI治療抵抗性を克服する既存承認薬の組み合わせを探索した。370万サンプル以上のデータが蓄積された世界最大規模の遺伝子発現データベース (GEO)を活用し、ICI治療抵抗性に関与する遺伝子の発現変動を詳細に解析した結果、NQO1, CD24などが耐性化関連遺伝子であることを明らかにした。さらに、遺伝子発現データベース 解析から抽出された耐性化関連遺伝子群の発現変動に着目し、米国NIHが公開する創薬ツールである (LINCS) を解析した結果、狭心症治療薬ジゴキシンおよび抗原虫薬エメチンの2剤を併用した時に、ICI治療抵抗性関連遺伝子の発現が抑制されることを明らかにした。
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[Presentation] PD-1ノックアウトマウスを用いた免疫チェックポイント阻害剤関連心筋炎の病態モデル開発2022
Author(s)
運天 拡人, 濱野 裕章, 新村 貴博, 内田 和志, 友近 七海, 宮田 晃志, 石田 俊介, 合田 光寛, 八木 健太, 相澤 風花, 石澤 有紀, 座間味 義人, 石澤 啓介
Organizer
第61回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会
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[Presentation] ベバシズマブ治療継続にプロトンポンプ阻害剤、ボノプラザンが与える影響2022
Author(s)
八木 健太, 丸尾 陽成, 石田 俊介, 鍛治園 誠, 相澤 風花, 新村 貴博, 石澤 有紀, 濱野 裕章, 合田 光寛, 座間味 義人, 石澤 啓介
Organizer
第32回日本医療薬学会年会