2022 Fiscal Year Final Research Report
ポナチニブによる急性リンパ性白血病の中枢浸潤予防は可能か?
Project/Area Number |
22H04291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
Abumiya Maiko 秋田大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポナチニブ / フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 / 遺伝子多型 / ABCB1 |
Outline of Final Research Achievements |
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の中枢浸潤に対するポナチニブ(PONA)の有用性の検討を行った。PONAが最高血中濃度に到達する内服後4時間時点の血中濃度に対する髄液中濃度の比率(CSF4/C4)は、PONAの血液脳脊髄関門移行に関与する薬物トランスポータであるP糖タンパクをコードする遺伝子: ABCB1の多型により差が認められ、変異アレルを有する群が野生型群に比べ有意に高かった。従ってPONAの中枢移行にはP糖タンパクが重要な役割を果たしており、その遺伝子多型が中枢病変へのPONAの有効性に寄与する可能性が示唆された。
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Free Research Field |
薬物動態学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph-ALL)は予後不良な疾患であり、多剤併用化学療法や造血幹細胞移植等の治療が実施される。しかしながら高頻度に生じる中枢浸潤の予防や治療法は確立されていない。本研究においては、実際のPh-ALL患者を対象にポナチニブの髄液中濃度を確認し、中枢浸潤への効果を検討した。その結果、ポナチニブの中枢移行にはP糖タンパクが重要な役割を果たしていることが示唆された。本成果は難渋を極めるPh-ALLの中枢病変治療に有益な手掛かりを与え、治療を前進させるものと期待される。
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