2022 Fiscal Year Final Research Report
薬剤性腎障害予防を志向したドラッグリポジショニング研究
Project/Area Number |
22H04293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
KANDA Masaya 徳島大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎障害 / 抗がん剤 / シスプラチン / トランスポーター / SGLT2阻害薬 / 薬剤性腎障害 / 副作用 / MATE |
Outline of Final Research Achievements |
研究代表者はこれまでの検討によりシスプラチン誘発腎障害モデルマウスに糖尿病治療薬であるSGLT2阻害剤を併用することで、腎障害が抑制されることを明らかにしている。 本研究は、SGLT2阻害剤併用による腎障害抑制の作用機序を明らかにすることで、シスプラチン投与患者に対する腎障害予防薬の開発につながる基礎的知見を集積することを目的に行なった。シスプラチン誘発腎障害モデルマウスを用いた解析から、SGLT2阻害剤併用によって、シスプラチンの排泄量が増加し、近位尿細管細胞へのシスプラチン蓄積量が減少することで、腎障害が軽減する可能性が示唆された。
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Free Research Field |
医療薬学関連
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
シスプラチン誘発腎障害はシスプラチンの減量や中止に繋がる場合も多く、有効ながん治療の遂行を妨げるため臨床上大きな問題となっている。がん薬物療法時の腎障害診療ガイドラインの中でも、腎障害の予防に推奨される薬剤はなく、シスプラチン誘発腎障害の新しい予防法の確立が求められている。 本研究の結果、糖尿病薬の一つであるSGLT2阻害剤がシスプラチン誘発腎障害に対して有効である可能性が示唆された。薬物動態・製剤情報が熟知されており、安全性が高い既存承認薬の有効性を証明した本研究成果は、迅速に臨床応用できる可能性が高い点で、非常に有意義である。
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