2022 Fiscal Year Annual Research Report
退院先の療養形態ごとにカスタマイズした退院サマリーの作成と評価
Project/Area Number |
22H04303
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大澤 志保 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 退院サマリー / アンケート / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、退院後の患者の薬剤管理にかかわる多くの職種のニーズを十分にカバーできる退院サマリーを作成することを目的としている。2022-2023年度は、退院サマリー作成に伴う多職種、大規模なアンケート調査をする前段階のインタビューを目的に、浜松市、磐田市の薬局薬剤師、看護師(訪問看護)を対象にアンケート調査を行った。10名の薬局薬剤師、看護師にアンケート調査を依頼し、7名より回答された。職種は薬局薬剤師6名、看護師1名であった。患者基本情報として有用であった内容(回答者7名)は、体重(5名)、病名(6名)、既往歴(4名)、アレルギー歴(3名)、副作用歴(4名)、腎機能(5名)、肝機能(5名)、その他検査値(4名)、OTC・健康食品の有無(1名)であった。服薬状況では、服薬管理方法(6名)、服用方法(4名)、調剤方法(4名)、服用状況・アドヒアランス(4名)および患者理解度(3名)の回答が得られた。薬剤に関する情報のうち有用であったと回答された内容について(回答者7名)は、入院中に追加・増量された薬剤情報(6名)が最も多く、ついで、入院中の用量変更の理由、退院処方の内容(5名)が多く回答された。さらには、退院時の薬剤師からの指導内容に関しても7名中5名より有用であったとの回答があった。 今回のアンケートより、退院後の他施設の医療スタッフが必要としている情報として、入院中に処方追加や用法が変更になった理由などを含める情報、服薬状況が挙げられた。また患者情報の中でも薬局薬剤師では得づらい病名や検査値の情報が必要とされていることが示唆された。今後、看護師との連携も強化したうえでの回収率の向上を目指し、本研究の質、意義をさらに向上させる必要がある。引き続き研究を継続し、カスタマイズした退院サマリーを運用、再評価を繰り返すことで、退院後も継続した薬学的ケアが円滑に行われると期待できる。
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