2022 Fiscal Year Final Research Report
肺移植後における安全性と治療継続性を高めるためのガンシクロビル投与法の検討
Project/Area Number |
22H04309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
Katada Yoshiki 京都大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺移植 / ガンシクロビル / バルガンシクロビル / サイトメガロウイルス / 血中濃度 / TDM / 白血球減少 / 副作用 |
Outline of Final Research Achievements |
肺移植後はサイトメガロウイルス(CMV)感染のリスクが高いため、バルガンシクロビル(VGCV)の投与が必要とされるが、重篤な白血球減少によりVGCV投与の継続が困難となる場合がある。本研究では、VGCVの活性代謝物であるガンシクロビル(GCV)の血中濃度と副作用との関連を調査した。その結果、重篤な白血球減少を予測するGCV血中トラフ濃度は872.0 ng/mL以上であることが判明した。また、母集団薬物動態解析により再肺移植とクレアチニンクリアランス(Ccr)がGCVクリアランスの共変量として抽出された。再肺移植やCcrの低い患者ではTDMに基づいたVGCV の個別化投与設計が有用と考えられた。
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Free Research Field |
臓器移植後感染症
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
CMVは肺移植後の感染症の中でも重要な病原体の一つであり、肺移植後のCMV感染症は慢性移植肺機能不全や侵襲性真菌感染症のリスク因子となる。そのため肺移植後はVGCVの予防投与が必須であるが骨髄抑制が問題である。特に重篤な白血球減少が発現した場合には、禁忌に該当するためVGCVを中止せざるを得ず、中止後にCMV感染を発症する症例が報告されている。CMV感染を含む感染症は肺移植後の死因1位であることから、安全性と治療継続性を高めるためのVGCV予防投与法の確立は重要である。本研究結果は、副作用発現によるVGCV治療継続が困難な症例が減少し、肺移植後のCMV感染防止に大きく貢献すると考えられる。
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