2022 Fiscal Year Annual Research Report
タゾバクタム/ピペラシリンの初期治療効果を最大化する新しい個別最適投与方法の確立
Project/Area Number |
22H04310
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河口 義隆 山口大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 母集団薬物動態解析 / タゾバクタム/ピペラシリン / 血中濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では、日本人の市中肺炎患者における腎機能をもとにしたタゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)の母集団薬物動態(PPK)解析結果が報告されているが、肺炎以外での適応も含め、実際のPK/PDパラメータの予測性は明らかにされていない。また、実測値に基づく投与量調整はもとより、より確実に最大殺菌作用を達成する投与方法についての報告もない。本研究は、タゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)の血中濃度を測定し、既報のPPK解析モデルの予測性を確認する。また、市中肺炎患者以外の患者におけるPPK解析を実施することで、初期治療から臨床効果を最大化する、新たな個別最適投与方法を確立することを目的とした。既報のPPK解析モデルを用いた過去のTAZ/PIPC投与例における評価では、腎機能低下例ほど高いPKパラメータ値が得られる関係性が明らかとなり、AKI発症リスクとの相関が示唆された。通常の診療で計画されたTAZ/PIPCの投与量での前向き観察研究として倫理審査委員会の承認を得て実施を開始した。敗血症、肺炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎が疑われ、初期治療としてTAZ/PIPCが選択された患者を対象に、目標症例数60例、TAZ/PIPC投与開始3~5日目の投与タイミングに合わせて、3ポイントの採血(合計180採血)を実施してる。PPK解析後は、期間ごとの院内の緑膿菌の感受性百分率からMIC90値をPDパラメータとし、有効なPK/PDパラメータが得られる投与量のシミュレーションを予定する。
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