2022 Fiscal Year Annual Research Report
IL-6ファミリーサイトカインが肺高血圧症の病態形成に果たす意義の解明
Project/Area Number |
22H04379
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
桐野 友美 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 実験補助員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動脈性肺高血圧症 (pulmonary arterial hypertension; PAH) は、肺動脈に原因不明の狭窄・閉塞病変を生じ、肺動脈圧の上昇から右心不全をきたす厚生労働省の指定難病である。研究代表者の所属グループでは、炎症性サイトカインであるインターロイキン-6 (IL-6) がPAHの病態形成を促進することを明らかにしてきた (Hashimoto-Kataoka, et al. PNAS. 2015;112:E2677)。さらに、マウスにおいて、IL-6の受容体を構成する分子であるgp130をCD4陽性T細胞特異的に欠損させると、低酸素誘発性肺高血圧症 (HPH) モデルの病態が改善することを見出している。gp130は、IL-6以外にもIL-27や白血病阻止因子 (LIF)、オンコスタチンMなどのIL-6ファミリーサイトカインの受容体を共通して構成するが、IL-6以外のリガンドがPAH病態形成へ寄与するかどうかについては不明な点が多い。 HPHマウスの肺において、IL-6のmRNAは低酸素負荷後48時間後にはベースラインの約10倍に発現が上昇したが、4週後にはほぼベースラインレベルに復した。このときのIL-6ファミリーサイトカインの動きを検討したところ、IL-6以外のファミリーサイトカインのmRNAレベルは、低酸素負荷による変化はほぼみられなかった。また、CD4陽性T細胞においてgp130を欠損させることでHPH病態が改善することから、定常状態および低酸素負荷状態における、CD4陽性T細胞におけるIL-6ファミリーサイトカイン受容体構成分子の発現も検討した。フローサイトメトリー解析では、CD4陽性T細胞はIL-6Raを強く発現していたほか、IL-27受容体も発現していたが、他のIL-6ファミリーサイトカイン受容体構成分子の発現レベルは低かった。
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[Journal Article] Gut dysbiosis is associated with aortic aneurysm formation and progression in Takayasu arteritis2023
Author(s)
Manabe Yusuke, Ishibashi Tomohiko, Asano Ryotaro, Tonomura Shuichi, Maeda Yuichi, Motooka Daisuke, Ueda Jin, Yanagawa Masahiro, Edamoto-Taira Yuko, Chikaishi-Kirino Tomomi, et al.
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Journal Title
Arthritis Research & Therapy
Volume: 25
Pages: 46
DOI
Peer Reviewed / Open Access