2022 Fiscal Year Annual Research Report
Dual-Energy CTによる血管内石灰化の評価
Project/Area Number |
22H04381
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岩﨑 敬 順天堂大学, 医学部, 診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管内石灰化 / 仮想単色X線画像 / 物質弁別画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、石灰化病変を対象とした下肢血管内治療の術前術後に2種類の異なるX線出力(管電圧: 80kVpとSn140kVp)で撮影したDual Energy CT(DECT)画像にて病変部を評価して、その石灰化が血管内治療術にて治療可能または治療困難なCT値範囲を推定し、さらに治療後のDECTを利用して術後の血管内石灰化分布を予測することを目的とした。石灰化内部の治療に利用したカテーテル物品と治療可能なCT値との関係を明確にすることができ、医師の治療戦略に臨床的有用性の高い情報を提供することにも期待が持てる。当院倫理委員会のもとで、下肢血管内治療の術前術後にDECT撮影した28名(男性22名、女性6名)が対象であり、使用装置はSiemens社SOMATOM Definition Flash(VA48A:Dual Source方式)にてデータを取得後、画像診断支援システム(syngo.via)にてDECT画像の解析を行なった。解析画像として、X線エネルギー40keVから180keVの10keVごとに仮想的な単一X線エネルギー画像(virtual monochromatic imaging:VMI)における石灰化内部のCT値を比較し、さらに実効原子番号(Zeff)画像と呼ばれる単一ボクセル(画像の最小の立方体)を単一原子で仮定したときに該当する原子番号を示し、物質の成分分析を評価する指標に着目した。治療可能な石灰化領域は、治療前後のDECT画像を差分して、残存する石灰化内部に複数の関心領域(ROI)を利用して平均CT値を評価した。VMI:70keVでは678.9±162.4HU、140keVでは391.5±87.51HUと従来のCT装置では評価困難であった石灰化内部の評価を可能とした。さらにZeff画像では12の値を下回る領域で治療が可能であった。
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