2022 Fiscal Year Annual Research Report
メンタルモデル共有によるバスケットボールのチーム・パフォーマンスへの影響
Project/Area Number |
22H04424
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
牛来 千穂子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 特任助手
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 共有メンタルモデル / チームワーク / スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 バスケットボールにおいてチームパフォーマンスを発揮するためにはメンバーのチームワークが求められる.チームワークを効率化する要因として近年注目を集めているのが共有メンタルモデル(SMM)という概念であり,メンバーの共通理解と同義と捉えられる.本研究では,バスケットボールにおけるSMM共有度の向上に着目した,チームワークおよびチームパフォーマンス発揮に有効なチームビルディングについて,実践的に検討することを目的とした. 【研究方法】 バスケットボールの選手や指導者に対するインタビューデータ,および既存尺度の質問項目を参考に,バスケットボールチームにおけるメンバーのSMM共有度を測定する尺度の開発を試みた(研究1).SMMがチームワークを介してチームパフォーマンスに影響を及ぼすという仮説について検討するため,研究1で開発した尺度を用いて収集したデータを利用し,各要素の関係性について分析した(研究2).大学バスケットボールチームにおけるチームワークおよびチームパフォーマンス発揮のため,検証した仮説を基盤として,SMM共有度の向上を狙いとしたチームビルディングを実施した(研究3). 【研究成果】 研究1より,バスケットボールチームにおけるメンバーのSMM共有度について測定可能な「バスケットボール版共有メンタルモデル尺度」が開発された.研究2より,SMMがチームワークを介してチームパフォーマンスに影響を及ぼすという仮説が立証された.研究3より,チームビルディングによって,メンバーのSMM共有度,チームワーク要素のうちの「試合中のコミュニケーション」,パフォーマンスに対する指導者の客観的評価の向上効果が認められた.このことから,実際のバスケットボールの競技現場において,SMMに着目したチームビルディングを行うことで,チームワークおよびチームパフォーマンスが向上する可能性が示唆された.
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