2022 Fiscal Year Comments on the Screening Results
社会的相互交渉における他者の行為の脳内表象に関する実験心理学的研究
Project/Area Number |
22H04931
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section A
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
磯田 昌岐 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 教授 (90466029)
|
Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
|
Summary of the Research Project |
本研究は、人間が他者の行為を観察し、その行為をもたらした心の状態を推測する際の神経活動を、ニホンザルを用いた実験心理学的研究により明らかにしようとするものである。具体的には、他者行為に選択的に応答する神経細胞が発見された大脳の内側前頭前野領域と腹側運動前野領域において、2領域及び2領域間の神経情報をサルを用いた実験により解読する。さらに、遺伝子工学的手法を用いて2領域間の情報伝達を遮断した際の、社会的相互交渉への因果的影響を明らかにする。
|
Scientific Significance and Expected Research Achievements |
本研究は、応募者らが独自に開発してきた社会行動の評価系と最先端の脳活動計測・解析技術を組み合わせ、社会行動の神経機構を研究しようというものであり、自己・他者行為ニューロンの発見をベースとする実験心理学の基盤形成を目指す先端的な研究と位置付けられる。複雑な認知機能の脳内基盤の解明には、人間に近い脳を持つサルによる研究が不可欠であり、特に腹側運動前野から内側前頭前野への情報伝達の理解は動物実験でこそ可能なものである点から、本研究の重要性は十分に認められる。これまでの研究実績も豊富に積み上げられており、目的達成の準備も十分に整えられている。また、本研究の成果が自閉スペクトラム症の理解につながるのであれば、社会的意義も非常に大きい。
|