2022 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of autophagy against diseases and aging and the operating principle of its regulatory factors
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22H04982
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉森 保 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (60191649)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Keywords | オートファジー / リソソーム / 選択的オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
課題A) オートファジー関連タンパク質LC3は、オートファジー機能および非オートファジー機能があることが報告されており、未だその具体的な機能はわかっていない。LC3の普遍的な作動原理の解明を目的に解析を行なった。本年度は、我々がこれまでに見出した損傷リソソーム修復におけるLC3の非オートファジー機能を中心に解析を行ない、リソソームに局在化したLC3の新たな機能を見出した。また、リソソーム損傷に伴うTFEBの活性化の意義について解析を行なった。 課題B) 小胞体ーミトコンドリア接触部位のプロテオミクスなどの方法で得られた隔離膜新生に関わる可能性のある候補因子について、局在解析や遺伝子欠損細胞を用いたオートファジー評価などを行い、オートファゴソーム形成の分子機構の解明に取り組んだ。その結果、ULK1タンパク質複合体の膜局在に関わる因子や、小胞体-オートファゴソームコンタクトサイトに関わる因子を見出し、その詳細な機能解析を行なった。 課題C) これまでに同定した選択的オートファジーの関連候補因子について解析を行い、選択的オートファジーの分子機構解明に取り組んだ。本年度は、E3リガーゼであるCUL4複合体が損傷リソソーム特異的オートファジー(リソファジー)に働くことを示し、リソファジーの初期段階の分子機構を明らかにした(Cell Rep, 2022)。また、ゴルジ体選択的オートファジーに関わる因子を同定した。さらに、損傷リソソーム修復機構の解析過程で、リソファジーのみならずミクロオートファジーが修復に関わることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題A) 転写因子TFEBはリソソーム損傷に応答してLC3の脂質化依存的に核に移行するが、その意義は不明である。どのような遺伝子の転写が促進されているのか、なぜリソソーム損傷がTFEBの核移行の引き金となるのかを解析を行なっている。リソソーム損傷時にTFEBと相互作用する因子を定量プロテオミクスにより同定しており、このスクリーニングから新たな手がかりを得た。また我々は、この経路では脂質化したLC3がオートファジー以外の機能で働くことを報告しており、脂質化LC3の損傷リソソーム上での機能を解析中である。 課題B) オートファジーの分子機構を明らかにする目的で複数のスクリーニングから見出したオートファジー関連候補因子について解析を行なっている。非選択的オートファジーに必須なULK1タンパク質複合体は、オートファジーの開始段階でオートファゴソーム形成部位に集積することが必要だが、そのメカニズムは不明である。本年度はULK1の膜局在を直接制御する酵素を新たに見出し、その分子機構解析を行なった。また、オートファゴソームと小胞体の膜コンタクトサイトに働く因子を発見し、その詳細な機能解析を行なっている。 課題C) ユビキチンリガーゼCUL4-DDB1-WDFY1によるリソソーム膜タンパク質LAMP2のユビキチン化が、リソファジーの初期過程に必要であることを明らかにした。また、独自のスクリーニングにより得られた他の候補因子についても解析を進めており、損傷リソソームのユビキチン化/脱ユビキチン化に関与する因子を複数見出している。さらに、損傷リソソーム修復機構の解析過程で、リソファジーのみならずミクロオートファジーが修復に関わることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題A) LC3の非オートファジー機能について引き続き解析を行う。特に定量プロテオミクスにより同定したリソソーム損傷時にTFEBと相互作用する因子の解析や、RNA-seqによる下流解析により、リソソーム損傷に伴うTFEB活性化の意義を明らかにする。また、LC3によるTRPML1のチャネル開口促進機構を理解するために、現在取り組んでいる両者の複合体の構造解析をさらに進める。 課題B) 複数のスクリーニングから見出したオートファジー関連候補因子について解析を続ける。小胞体局在因子が複数得られているため、オートファゴソーム形成部位である小胞体とオートファゴソームの相互作用について詳しく解析する。 課題C) 現在までに得られた複数のリソファジー関連候補因子について、さらに解析を進める。リソファジーやゴルジファジーの評価系を新たに確立し、その他の選択的オートファジー評価系も導入したので、これらを有効に用いて選択的オートファジーの分子機構解明を目指す。
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Research Products
(11 results)