2022 Fiscal Year Comments on the Screening Results
宿主―病原体相互作用の統合的理解による感染症・免疫疾患の病態解明
Project/Area Number |
22H04989
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section H
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒瀬 尚 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10261900)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Summary of the Research Project |
免疫システムはウイルス等の病原体を特異的に排除するメカニズムとして進化したが、一方で自己免疫疾患や、感染症重症化の原因となる。一部のカテゴリーの自己免疫疾患は、感染症を契機に発症することが知られている。本研究は、病原体感染と免疫異常の連関を統合的に理解するために、ウイルス等の病原体と宿主免疫との相互作用を解明することを目指すものである。具体的には、ペア型受容体を軸にした宿主―病原体相互作用に関するこれまでの知見を基に、MHC(主要組織適合性複合体)クラスII分子インバリアント鎖の機能、自己抗体と重症化、自己免疫応答の生理機能等、多角的なアプローチにより、感染症で生じる免疫異常の原因解明を試みる。
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Scientific Significance and Expected Research Achievements |
本研究では、免疫異常が生じるプロセスにおいて、インバリアント鎖の発現低下によるMHCクラスII分子の結合能異常とミスフォールドタンパク質の自己抗原化に主に焦点を当てている。様々なウイルス感染による、MHCクラスII分子アレルに関連する組織特異的自己免疫疾患の発症及び感染重症化を説明しうる包括的な概念を提唱する可能性を持っている。新型コロナウイルス感染症による重症肺炎と自己免疫応答の関係、腫瘍細胞に対する新規の免疫誘導法など、本研究から得られる成果が波及する分野は多岐にわたると期待される。
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