2023 Fiscal Year Annual Research Report
Plastic regulation of chromosome dynamics in cancer
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22H04996
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
広田 亨 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 部長 (50421368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サンペトラ オルテア 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50571113)
伊藤 武彦 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90501106)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Keywords | 染色体不安定性 / 染色体動態 / クロマチン高次構造 / 異数体 / Auroraキナーゼ / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、がん幹細胞のDiploids/Parent-likes/Hyperploidsの各クローンの増殖性を解析した。in vitroで培養した各クローンを、14日おきにDNA FISH解析を行い、核型の分布を4か月間追跡したところ、その結果、Diploidは時間が経過しても安定に二倍体の染色体数を維持していた一方で、Parent-likeとHyperploidは、染色体数がさらに増減し、染色体不安定性のレベルが変動することが観察された。このとき同時に各クローンのAurora B活性のレベルを評価するため、Aurora Bキナーゼの基質であるDsn1のリン酸化を定量的に解析した。その結果、Diploidsグループは、親株であるTSと同様なAurora Bの活性を持っていたが、Parent-likesとHyperploidsクローンはTSよりAurora B活性が低いことが分かり、各クローンのCINのレベルをAurora Bの活性がよく反映していることが見出された。さらに、各クローンの細胞をマウス脳に定位同所移植し、形成した腫瘍の核型変化をDNA FISHにより解析した。その結果、いずれのグループもCINレベルが上昇しながらがん細胞が増殖するという結果が得られ、生体内ではAurora Bの活性が低下するメカニズムが存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構想の段階では予想にとどまっていた、3つに分類したがん幹細胞クローンの「染色体動態」が、各クローン間でそれぞれの特徴を維持しつつ増殖することを確認できた。このことによって、クローン間での比較問題なくでき、染色体不安定性の違いと関連する細胞表現型の解析を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
がん幹細胞(TS細胞)とそのクローン9系統(Diploids, Parent-likes, Hyperploids各3)について、ゲノムワイドの染色体構造の変化、遺伝子発現プロファイルを調べ、 長期間培養して追跡する試験管内と、マウスの脳実質に同所移植したときの増殖性を解析する。
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