2022 Fiscal Year Research-status Report
From Hate Speech to Hope Speech: An Inquiry into Future-Oriented Linguistic Environments
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22K00020
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
和泉 悠 南山大学, 人文学部, 准教授 (10769649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 ひろみ 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, ユニットリーダー (20631782)
永守 伸年 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 講師 (70781988)
谷中 瞳 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (10854581)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 言語哲学 / 倫理学 / ヘイトスピーチ / 誹謗中傷 / 悪口 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、既存のヘイトスピーチ研究を応用し、一部の研究者が「ホープスピーチ」と呼ぶ言語現象を検討し、より望ましい言論空間の姿はどのようなものか描き出すことである。 初年度では、先行研究を整理するとともに、既存の「ホープスピーチ」定義にもとづいてテキストデータの収集を開始し、データの予備的な検討を開始した。また、データの適切な分析と、ポジティブな言説の理解へ進むための準備段階として、主に哲学・倫理学的観点から、有害な言語活動についての、理論的考察を深めた。 データの予備的検討を通じて明らかになった点は、オンライン上には、あからさまな誹謗中傷やヘイトスピーチといった非常に明確に攻撃的投稿だけでなく、幅広い形態の攻撃的投稿が数多く存在することである。さまざまな程度と濃淡で、「揶揄」「からかい」「あなどり」「皮肉」「嘲笑」といった言語使用が観察される。そこで今年度は特に「悪口」という日常概念に注目し、その内実を解明することに注力した。 その結果明らかとなった点は、「悪口」は人物の社会的立場を操作するものであり、階層的に人物を下げる、「劣位化」とでも呼べる行為の一種として理解されるのがもっとも適切だということである。この理解を踏まえると、日常的悪口から誹謗中傷、さらにはヘイトスピーチまで、一種の連続性を持ったものとして評価できる。さらに、「悪口」と「軽口」や「非難」の違いなど、さまざまなボーダーラインの事例を適切に評価できることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の理論的研究は進捗し、査読論文が出版され、また書籍執筆が進行しており、十分に進んでいると言える一方、本研究のより経験的、計算機学的部分の研究が遅れているため、(3)やや遅れているとした。 理由のひとつは、研究代表者が、想定外に重要な校務の責任を担うことになったこと、またもうひとつは、基本となるテキストデータの収集、またアノテーション課題を行うための人材を見つけることが困難であったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
特に攻撃的言説についての理論的考察に関して、一定程度の研究結果を蓄積することができたため、今年度はそれを応用し、ポジティブな言説についての考察を深める。また、経験的計算機科学的研究により注力する。データ作成のための人材確保として、専門家だけでなく、学部生を含めたより幅広い層から参加者を探す予定である。
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Causes of Carryover |
感染症対策のため、オンライン会議および学会がより多かったため、また、データ作成のための人件費使用が初年度においては少なかったため、次年度使用額が生じた。対面での研究会等が今後増加することが見込まれる。また研究計画通り今後データ作成のために予算を使用していくため、次年度使用額も使用される予定である。
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Research Products
(6 results)