2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K00025
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
北野 孝志 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (20390461)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 技術評価の哲学 / グローバルTA / RRI / VSD / ケアロボット / 技術哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ・カールスルーエ工科大学(KIT)・TAシステム分析研究所(ITAS)における在外研究が、コロナ禍の影響で前年度中に出発できず中止になったかわりに、今年度授業の担当のなかった前期の時期に渡航が緩和されたのを利用して、ITASに滞在し図書館や研究室を利用させてもらうと同時に、所長のグルンヴァルト教授をはじめ、様々な研究員とも交流を持つことができ、グローバルTAや責任ある研究・イノベーション(RRI)などの研究について意見交換することができた。 出発前には、オンラインで開催された応用哲学会において、ドイツ滞在時の研究課題ともなる「バリューセンシティブなデザインと責任ある研究・イノベーションについて」と題した発表を行った。 ITASでは、特に日本のケアロボットの特徴や研究・開発のあり方とその他の国々、特にヨーロッパとの違いについて、グルンヴァルト教授をはじめITAS内の研究プロジェクト"JuBot"(Jung bleiben mit Robotern:若さを保つためのロボットとの共生)のメンバーなどとも意見交換をした。さらに、このプロジェクトで連携を取っているKITの高性能ヒューマノイドテクノロジーラボ(H2T)を訪問することができ、EUで共同開発されたものや開発中のものも含め、ARMARというロボットのデモンストレーションを見学させてもらうとともに、所長のアスフール教授にもインタビューし、ケアロボットの開発における文化の違いや現状認識について意見交換でき、有意義な滞在となった。 一方、国内ではこうした経験を踏まえて、日本工学アカデミーの終身フェローで顧問を務められている政策研究大学院大学の永野教授を訪問し、情報交換した。 こうした成果を生かし、「バリューセンシティブなデザインとは何か―VSDと技術哲学」、「ロボットの人称性に関する一考察」と題した研究論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で、所属機関の規定にしたがって感染状況を見ながらの研究となったため、国内での研究会など活発に実施することができず、学会発表などもオンラインで実施されたため、予算の使用は計画通りにはならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染対策が変わることによって、国内外での研究活動を活発に実施することができるため、研究成果の発表も活発にしていきたい。 しかし、感染状況によっては、研究活動も影響を受ける可能性があり、その状況に応じて可能な研究を進め、研究成果としてまとめる努力をする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で、所属機関の規定にしたがって感染状況を見ながらの研究となったため、特に国内での研究会など活発に実施することができず、学会発表などもオンラインで実施されたため、旅費や謝金について計画通りに使用できなかった。 今後新型コロナウィルスの感染対策が変わることにより、より活発に研究活動を実施できると考えられるため、前年度の計画と合わせた予算の使用が見込まれる。
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