2022 Fiscal Year Research-status Report
A study of Governmentality and Trends in the Transhumanist Movement under the Neoliberal Regime
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22K00044
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
本田 康二郎 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (40410302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 勝也 山口大学, 大学院東アジア研究科, 准教授 (30547956)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 新自由主義 / 科学技術政策 / 世界経済 / 経済理論 / 医療倫理 / 生命倫理 / 軍事研究 / ロボット倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目の研究テーマは「新自由主義とトランスヒューマニズム(超人間主義)はどのような関係性を持っているのか」を解明することであった。このテーマを遂行するために、初年度は新自由主義研究の現状をレビューする必要があった。本田、山本、稲井の三名はそれぞれ科学技術政策、国際経済、経済理論の観点から、新自由主義研究の現状を調査した。その成果は、山口大学紀要「東亜経済研究」81巻1-2号に掲載される予定である。 研究代表者の本田は、戦前から戦後、さらに現代にいたる日本の科学技術政策を振り返る研究発表を行った(「日本の科学技術政策の思想史からみた福島原発事故」東日本大震災・原子力災害 第1回学術研究集会 2023年3月17日、「軍事研究と基礎研究 ~理化学研究所を題材に~」ELSIワークショップ: 科学技術とデュアルユースを考える(神戸大学) 2023年2月24日)。また、トランスヒューマニズムの浸透にともなって、医療倫理がどのような影響を受けるかについて、医師たちに対して講演を行った(「医の倫理から医学の倫理へ:機械論的世界観がもたらす未来の医療とその問題」第61回 日本鼻科学会総会・学術講演会・専門医共通講習(医療倫理) 2022年10月14日)。また、ロボット倫理研究の必要性について論じた英文論文を執筆した("From Engineering Ethics To Robot Ethics" Memoirs On Liberal Arts And Sciences Kanazawa Medical University, Vol49, pp. 29-44, 2022年12月2日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は新自由主義研究の現状をレビューする必要があった。このレビューが想像していたよりもずっと大きな作業となっている。 新自由主義研究の論文が欧米では1990年代から蓄積されているが、本邦ではそのほとんどが紹介されておらず、文献を読解するのに時間がかかっている。その結果、新自由主義とトランスヒューマニズムの関係性を論じるというところにまで、手が回っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新自由主義をどのように評価するのかが、研究全体の方向性を決めるので、当初の予定であるトランスヒューマニズム概念が新自由主義からどのような影響を受けて形成されたてきたのかを考察する前に、徹底的に新自由主義研究の動向を分析する方針である。 その作業を土台として、トランスヒューマニズム概念の考察をしたいと考えている。遠回りになるが、最終的にはこのやり方がもっとも深い考察を可能にするはずである。
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Causes of Carryover |
2022年度は、まだコロナ禍が続いていたため、出張旅費をほとんど使用しなかった。2023年度以降は、学会発表や情報収集のため、出張旅費を使用していく予定である。
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