2023 Fiscal Year Research-status Report
The origin and development of the Parārthānumāna theory in Dignāgaʼs Pramāṇasamuccaya
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22K00053
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野 基 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00272120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室屋 安孝 神戸女子大学, 文学部, 教授 (10964017)
渡辺 俊和 國學院大學, 文学部, 准教授 (20822159)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ディグナーガ / ジネーンドラブッディ / インド仏教論理学 / テキスト校訂 / 他者のための推理 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度前半は主として、本研究課題(『集量論疏』第3章梵文校訂テクストの出版準備)と密接に関連する『集量論疏』第4章の校訂本の出版準備の補助作業として、ディグナーガの『集量論』第4章との並行箇所を多く含む『正理門論』喩例段を検討し、8月中旬の本科研グループの研究会によるオンラインでの検討会(令和5年度第一回研究会)を経て、その成果を研究代表者が台湾の国立政治大学主催のオンライン・ワークショップで発表した。 9月には研究代表者はコロナ禍発生以来久しぶりに国際研究プロジェクトの相手先であるオーストリア学士院アジア文化宗教史研究所を訪問し、関連のワークショップに参加すると共に、本研究課題遂行のための今後の協力体制について打合せを行った。 また同月には本課題研究の先駆けとなる『集量論疏』第6章校訂本(本研究課題の代表者と分担者の3人を共著者とする)が出版された。これに伴い、年度後半には同校訂本の電子テキストの分綴の再確認を行いKWIC索引作成の準備をすると共に、正誤表の作成を行った。1月には京都での対面での研究会(令和5年度第二回研究会)を開催し、上記校訂本の和訳出版の準備作業と、『集量論』第6章の還元梵文公表のための最終確認を開始した。 他方、本研究課題の眼目である『集量論疏』第3章「他者の為の推理」章に関しては、令和4年度末の3月に行った研究会以来、研究グループとしての共同検討を行う機会はなかったが、代表者を中心に、その後半部の校訂の最終確認を進めた。 それ以外にも、研究チームの各メンバーは、各自で関連するテーマでの学会発表を行うとともに、各々国際共著の論文集に研究課題に関連した英語論文を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように令和5年度は、待望の『集量論疏』第6章の梵文写本校訂本の出版を漸く実現することができたが、それに伴って発生した様々な関連作業や、引き続き予定されている同書第4章の出版準備に時間を費やしたため、肝心の『集量論疏』第3章「他者の為の推理」章校訂本の出版準備には必ずしも十分な時間を宛てることができなかった。研究会もオンラインが主で、当初予定していた対面での研究会・打合せは一度しか開催できず、このため『集量論疏』第3章校訂テクストの出版準備の具体的作業は予定分量のごく一部しか遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、分担者の一人が本務校でのサバティカルを獲得し外国滞在となったが、滞在先が国際共同研究の相手先である上記のオーストリア学士院アジア文化宗教史研究所であるという好条件を生かして、先方の共同研究者とも綿密に連絡を取り合いながら研究プロジェクトの中心課題である『集量論疏』第3章の後半の他学派批判(paramata)の部分の全体について、校訂テクストの出版準備の具体的作業を終えたいと考えている。また併せて、令和6年度内に、『集量論疏』第4章校訂本の出版のための最終作業を完了したいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和5年度は研究代表者の外国出張による国際ワークショップ参加と研究打合せのための外国旅費、また研究分担者の国内での関連ワークショップや学会への参加のための国内旅費を相当額使用したものの、国内での対面の研究会を一度しか実施できなかったため、当初計上していた国内旅費の一部が未使用となった。繰り越し分については、令和6年度は国内に残っている研究代表者と分担者一名の研究打合せを密にするための国内出張旅費、および令和6年度中に脱稿予定の『集量論疏』第4章校訂本の序文の英文校閲費用等として執行する予定である。
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Research Products
(8 results)