2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K00055
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 文理 京都大学, 文学研究科, 教授 (70232808)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 中国絵画論 / 題跋・題画詩 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、書画跋を読む研究会と、題目に関わる論文の執筆の二つの方向から研究を進めた。書画跋を読む研究会は、東京国立博物館所蔵中国書画の題跋ならびに内藤湖南の書画跋を読む研究会(2022年4月17日、5月15日、6月12日、7月17日、9月18日、10月23日、11月12日、12月17日、2023年1月22日、2月19日、3月12日(6月、11月、3月は東京大学にて対面、あるいは対面オンライン併用のハイブリッド、他はオンライン)、泉屋博古館所造中国書画の題跋ならびに内藤湖南の書画跋を読む研究会(2022年4月24日、5月14日、7月3日、10月2日、11月20日、2023年2月12日、すべてオンライン)に参加し、中国書画に対する知見を深めると共に、書画作品と書画跋の関係性、とりわけ風景絵画作品と題跋の関係について考察を深めた。さらに、北宋時代の文人蘇東坡の詩における風景把握・風景描写について考察を進め、論文執筆の準備を進めた(2023年5月脱稿予定)。そこでは、宋代の詩について、これまで一般的に、叙情的ではなく理知的で、あるいは自然に冷淡であるといわれているその性格について、新しい観点から再検討した。具体的には、蘇東坡の詩、特にその風景描写と山水画の題画詩を検討することにより、蘇東坡が風景を詠む意味とその手法の特徴を検討することにより、蘇東坡が風景を詠む意味を明らかにすることにより、これまで注目された来なかった蘇東坡詩、また北宋の詩の新たな側面を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企図していた題跋関連の研究会は順調に進められている。また、これも企図していた蘇東坡に関する論文は、順調に執筆は進んで、23年5月には脱稿予定であり、順調に研究は推移していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
東京、京都での研究会はこれまで通り進められる予定である。なお、これまでコロナ禍でなかなか行えなかった作品調査も順次進めて行く予定である。論文については、蘇東坡に関する論文を23年5月に脱稿した後、次の論考(杜甫と蘇東坡の比較の予定)準備に入る。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により、東京での研究会がオンライン開催を余儀なくされたことにより、出張費が大幅に減額となったため。
|