2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Practice of Mediumship and its Transformation in Contemporary England
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22K00083
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
河西 瑛里子 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 助教 (80705278)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心霊主義 / 霊媒 / オルタナティヴ宗教 / スピリチュアリティ / イングランド |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の調査の結果は6月のCESNURという学会で発表し、その内容は『現代思想』に掲載された。 7~9月のフィールドワークでは、心霊主義教会では、霊媒が死者の霊と対話し、その証拠とメッセージを伝える様子(サービスあるいはデモンストレーション)やヒーリング、霊媒になるための成長サークルの様子を観察した。霊媒には霊が見えていること、その他、声を聴いたり、感じたりしていることが分かった。また霊がその場に来ていることは絶対であり、対象者に心当たりがない場合は忘れているだけだと理解されていることがわかった。ヒーリングは、心霊主義のグループにより、やり方はやや異なっていた。成長サークルでは、瞑想をして、そこで見えたものをシェアすることが大切なようだった。また、キリスト教と離れたいところは「教会」ではなく「センター」「協会」などと呼ばれていた。 心霊主義教会にやってくるきっかけは、家族など親しい人の死であるケースが多いが、霊媒は超常的な体験が霊媒になることに関心を持つきっかけになっていることが多いように思った。また労働者階級の、特に女性を中心とする文化であることも分かった。 スピリットガイドが霊媒の身体を借りて話すトランス霊媒のセッションではより抽象的なメッセージが届けられ、霊媒が死者の霊と話した内容を伝えるプラットフォーム霊媒ではより具体的なメッセージが届けられた。セッション中、トランス霊媒は声や話し方、顔つきか大きく変わるが、プラットフォーム霊媒はそこまでは変わらなかった。 また、10月には日本の事例と比較するため、恐山の秋大祭にてイタコの口寄せを参与観察するとともに、そこに来ていた人たちに簡単なインタビューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度の2-3月に予定していた調査に行けなくなったため、その分調査予定に遅れが生じている。2023年度には7-9月に調査を実施したが、調査を予定していた団体が突然、諸事情により、活動を休止したり、夏期休暇中であったため、調査を計画した時点では開催されていた活動のいくつかが休止されていた。このような活動は、過去4年間は新型コロナウイルスの影響で通年に渡って休止されていたため、報告者も気づいていなかった。 しかし、教会での交霊会の様子の参与観察や、霊媒へのインタビューなどは実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の調査結果は、2024年度6月のCESNURで発表する。 2024年度も5-6月にフィールドワークを実施する。今回は、可能であれば、霊媒ではない、定期的な参加者から話を聞きたいと考えている。また「成長サークル」は、2023年度は訪れた時期が夏季休暇の時期だったため、一時中断中のところが多く、十分に参加できなかった。2024年度は時期を変えることで、参与観察したいと考えている。 先行研究をより精査し、霊媒の自伝なども読んで、2023年度の調査結果と合わせて、論文を作成し、投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度の2-3月に予定していた調査に行けなくなったため、その分を繰り越しているからである。本研究は3年の予定だったが、4年に延長し、計画的に使用したいと考えている。
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