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2023 Fiscal Year Research-status Report

20世紀東アジア・キリスト教史における他者像形成の動態

Research Project

Project/Area Number 22K00087
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

金丸 裕一  立命館大学, 経済学部, 教授 (80278473)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords日中キリスト教交流史 / 近江ミッション / 友和会 / 唯愛社 / 社会的福音
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、研究課題を進めるために、以下に記す活動を実施した。第一に、昨年度と同様、日本国内各地での史料蒐集と分析である。今年度は特に、日中両国が危機的な状況下にあった時期の「平和」を求めて交流したクリスチャンのうち、「友和会(FOC)」に集結した人々の言説が記録された媒介を求めた。従来の研究では殆ど見落とされていた『ワレラのグラフ』誌について、旧知の同志社大学神学部所蔵本以外に、神戸女学院図書館と北海道立図書館に所蔵されている主として日本語版を蒐集し、また米国University of Rochesterに所蔵されている英語版も全冊閲覧することが可能となった。日英両国語の対比でいうならば、記事内容や執筆者も全く異なっており、言語ごとに「平和」を表象する手法が異なっていた事実を示唆するように思われる。
第二に、中国語文献においても、中国「唯愛会(FOC)」が発行していた『唯愛』をほぼ全冊蒐集することが出来た。これらを基礎史料に、日中両国の他者イメージの異同を探究する準備が整ったといえるだろう。
第三に、平和運動を担った主体として、東京三田に本部を置く「基督友会」の戦前期機関誌を系統的に閲覧する準備を終えた。同会の機関誌はマイクロ化などがなされておらず、原紙を閲覧するよりほかに術は無いが、新渡戸稲造らクエーカーが果した牽引的役割を反映する記事が多く確認され、2024年度には本格的に閲覧・分析したい。
この他、昨年来本格的に取り組んだ地方宣教団体たる近江ミッション(兄弟社)機関誌の『湖畔之聲』については、1964年12月以前の全冊につき総目録を完成させ、出版準備を進めている。また、これらの活動を通じて知り得た新たな知見については、適宜学会報告や論文化、目録化を進めた。その詳細は、本報告書の業績欄にまとめておいた。
以上が、2023年度の主たる活動である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

海外での調査について、中華人民共和国や香港で安全に活動する事が困難であるため、現在その実施の可否を観察中である。また超円安局面にあるため、米国への渡航もコスト&ベネフイットを見極める必要が生じた。ただ、従来の研究では見落とされていた史料が国内各地に保管されている事が次第に判明してきたので、これらへのアクセスを中心に史料発掘を進めている次第である。

Strategy for Future Research Activity

海外での史料蒐集は、自由かつ安全なる研究活動の遂行が保障されている台湾におけるそれを中心に進めたい。また、第一年目より実施している日本国内に保管される史料の発掘や目録化、そして利用につては、より積極的に推進していく所存である。また、2023年度にその全体像が漸くと判明した「友和会」に関しては、既に蒐集した史料、及び同志社大学神学部や奈良県立情報資料館に所蔵される戦後友和会に関する史料などを活用しながら、本格的分析に着手する。

Causes of Carryover

主として、海外調査の進捗が計画通りに進まなかったために生じた差額である。既に本文において記した通り、台湾を中心とした海外での活動を進めるとともに、今次の研究過程で新たに発見した友和会史料の発掘などで、有意義に使用する予定である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2024 2023

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 2 results)

  • [Journal Article] 彦根高商資料群との出会い2024

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Journal Title

      彦根論叢

      Volume: 438 Pages: 18

    • Open Access
  • [Journal Article] 『湖畔の声』に掲載された賀川豊彦関係記事目録2024

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Journal Title

      雲の柱

      Volume: 38 Pages: 54-65

  • [Journal Article] 近江八幡を訪問した民国クリスチャンをめぐって2023

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Journal Title

      キリスト教文化

      Volume: 21 Pages: 200-213

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 『湖畔の声』に収録された中国関係記事目録(稿)-戦前・戦中編―2023

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Journal Title

      立命館経済学

      Volume: 72-3 Pages: 68-82

    • DOI

      10.34382/0002000452

    • Open Access
  • [Journal Article] 棟方文雄の台湾観について-1978年の訪問記を読む2023

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Journal Title

      キリスト教文化

      Volume: 22 Pages: 193-206

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 教会史料の中にアジアを読む―戦前・戦時期の「交流史」を中心に2024

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Organizer
      キリスト教史学会西日本部会大会
    • Invited
  • [Presentation] 賀川豊彦「秘話」形成過程の一考察-特に民国政要との関係を中心に2023

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Organizer
      第35回賀川豊彦学会大会
  • [Presentation] 賀川豐彦眼中的中國新思潮2023

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Organizer
      基督教與中國近代新文化運動國際學術討論會
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 清水安三の若き日々-中国伝道にいたる道2023

    • Author(s)
      金丸裕一
    • Organizer
      アジアキリスト教交流史大会 明治学院大

URL: 

Published: 2024-12-25  

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