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2023 Fiscal Year Research-status Report

幕末から明治期における工芸品としてのちりめん絵の皴加工技術と構成材料の解明

Research Project

Project/Area Number 22K00180
Research InstitutionTokyo National University of Fine Arts and Music

Principal Investigator

一宮 八重  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 助手 (40832613)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 日比谷 孟俊  実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (60347276)
大和 あすか  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, アソシエイトフェロー (30823752)
三井田 盛一郎  東京藝術大学, 美術学部, 教授 (20305519)
塚田 全彦  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (60265204)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords悉皆調査 / 刊行年代別の縮緬絵の資料数 / 刊行題材別の縮緬絵の資料数 / 縮緬加工 / 縮緬絵の縮緬加工による縮小率
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、江戸期から明治期にかけて制作された縮緬絵資料の実態(制作年代、市場規模、加工目的、加工技法を含む)を解明することを目的としている。縮緬絵は主に輸出用としての制作が背景として考えられることから、現存する縮緬絵資料は主に個人または海外の美術館にて所蔵されている。本研究では1000以上にのぼる個人所蔵資料の調査の機会を得て、悉皆調査を行う環境下にて縮緬絵の実態を調査できることに意義がある。実際、2022年度に行った悉皆調査内容について、2023年度は解析を進め、かつ解析項目を増やし、特に加工後の資料サイズ測定を終えた資料数は1079、そのうち刊行年の判読が可能であった資料数は703であった。縮緬加工後のサイズ測定結果をほぼまとめ終えたことで次年度のテスト試料作製の足掛かりとする。また、資料の刊行年に基づく縮緬絵資料数の推移についても傾向を見出した。この結果から縮緬加工の皺形状のばらつき調査と関連した考察を継続する。
2022及び2023年度の研究成果については、国際学会にて1件の発表を行い、また、縮緬絵シンポジウムを主催し海外から1名のスピーカーによる講演、本研究メンバー5名を含むの8名の研究について発表し、本研究成果を広く共有する機会となった。シンポジウムではゴッホと縮緬絵、また、貼り込み帖と縮緬絵との関連性など多角的な側面から検証を行う機会を創成したことも意義があったと考える。
一方で、制作技法の解明についても実験的復元に基づき検証を継続し、皺の角度や加工回数などの再現に近づいている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

縮緬絵資料の悉皆調査結果の解析は進み、本年度にて全資料をまとめる結果に目途がついた一方、解析結果をもとに個別の皺形状や色材分析への展開については遅れている。これまでに、資料のスキャン画像からのサイズ測定に時間が掛かってしまったことに加え、未解明の部分が多い縮緬絵資料の扱いや分析方法の確立など試行錯誤している部分が多いことが理由である。色材の科学分析と皴の入り方や、その間隔や形状およびその変遷を科学的に検討することにより、資料の保存やその方法に関して基礎的な情報を寄与できることから、これらの基礎的な研究を継続して進めることが重要である。2024年度からはテスト試料を作成し、縮緬加工前後の色調の変化を分析し比較検討を進めていく。

Strategy for Future Research Activity

縮緬加工技法およびその特徴を解明するため、まとめた悉皆調査結果をもとに、題材や出版年代による皺形状の分析を進める。再現実験として、浮世絵木版画に使用される代表的な色材(藍、つゆ草、紅、ウコンなど)を用いたテスト試料を作成し、縮緬加工を施し、加工前後の色調の変化や皺形状の特徴を測定し比較検討を行い、色材と加工技法の関連性や縮緬加工の目的について解明を進める。

Causes of Carryover

テスト試料作製及び縮緬加工費にかかる人件費及び物品費用を計上していたが、悉皆調査表の作成の遅れにより試験開始が次年度へ持ち越しとなった。次年度は縮緬加工の再現実験を行うにあたり、テスト試料作製の人件費、作成物品費用を支出する。一方で、英語雑誌への成果発表を計画していたが次年度に持ち越した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 縮緬絵の制作法に関する考察ー皴の入れ方の幾何学的取り扱いー2024

    • Author(s)
      日比谷孟俊 堀木茂 大和あすか 一宮八重 川上宏 山本親
    • Organizer
      文化財保存修復学会
  • [Presentation] 縮緬画帖と縮緬本における制作技法の比較2024

    • Author(s)
      大和あすか 一宮八重 桐原瑛奈 川上宏
    • Organizer
      文化財保存修復学会
  • [Presentation] 現存する縮緬絵から推測するその多様性に関する考察2023

    • Author(s)
      山本親 川上宏 一宮八重 大和あすか 日比谷孟俊
    • Organizer
      国際浮世絵学会
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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