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2022 Fiscal Year Research-status Report

デジタルデバイスを用いた新規音楽療法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K00213
Research InstitutionHealth Sciences University of Hokkaido

Principal Investigator

浅野 雅子  北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (20404791)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 豊巻 敦人  北海道大学, 大学病院, 助教 (70515494)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsボーカロイド / 精神症状 / Web調査
Outline of Annual Research Achievements

本研究は高齢者、精神疾患、神経疾患等の患者を対象に古くから実践されてきた音楽療法に、近年著しく技術が進展してきたICT(Information and Communication Technology)やデジタルデバイスを加えることで、新規の音楽療法を創発することを目的としている。具体的にはキュレーションアプリで提示される自動的に最適と感じる楽曲を毎日聴取することで、健常者やうつ病患者の不安や抑うつ症状の改善が見られるか検討する。音楽キュレーションアプリを用いることで、本人の自主的な選択よりも最適に感じる楽曲が自動的に提示できるが、この音楽を毎日聴取することで、不安や抑うつ症状の改善が見られるか検討したい。しかし、どのような症状を持つ人にどのような楽曲をキュレーションすべきかが現時点では明らかでない。そこで、前段階としてWebを通した質問紙調査を用いて、広く楽曲によるポジティブな気分変化についての知見を収集し、キュレーションの前提となる楽曲と気分変化の関係を明らかにすることとした。
従来の音楽療法における音楽聴取では、自分の意思で楽曲を選択するため、基本的にはかつて聞いたことがある楽曲が選択されやすい。しかしながら、精神状態を改善するのにより相応しい楽曲が存在する可能性があり、そうした楽曲を提示できるキュレーションアプリは、新たな効能を発揮しうる。ただし、現時点では、どういう楽曲がどのような気分変化と結びつくかが不明瞭である。特に、ボーカロイド(以下ボカロ)曲は比較的歴史の浅い楽曲であり、個人の語りや少数例の調査においては不安や主観的QOLの改善に寄与することが示唆されているが、大規模な学術的調査は数少ない。本研究を通して、ボカロ曲の持つ心理的意義を明らかにすることは、デジタルデバイスを用いない音楽療法においても意義があると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本計画の前段階としてWeb調査を実施することにしたことから、初年度は研究計画の見直し期間としたため、やや遅れている。だが、実施計画の倫理申請が通過しており、2年はこれら調査を実施する段階に入っているため2年目はおおむね順調に進展する予定である。

Strategy for Future Research Activity

1.Web質問紙調査のためのオンライン・インタビュー(最大20名)
特にボカロ曲を愛好する人達の性格的特徴や生育環境の特徴を明らかにするため、匿名でのオンライン・インタビューを行う。この際「ボーカロイド(初音ミクなど)の熱心なファンの方にインタビューしたい」という名目でインタビュイーを集める。スクリーニング質問の回答をみて十分情報が得られそうなインタビュイーを選定する。このインタビュー実施時には口頭でインフォームド・コンセントを行う。インタビューは許諾を得て録画するのでインフォームド・コンセントの様子は記録することができる。インタビュイーがボカロ曲に抱く印象、ボカロ曲の聴取・作曲・演奏等による肯定的な変化、生育環境、自身の性格などについて半構造的に質問する。これらインタビュー録画の文字起こしを行い、この情報に基づきKJ法を通して質問項目になりうる要素を選定し下記Web質問紙調査に利用する。
2.楽曲の好みと性格特性や不安特性の関連をWeb上で質問紙調査(200名程度)
まず楽曲によって実際に不安状態が軽減したなどの肯定的な体験を持つ人を対象に、具体的な楽曲の特徴、そのような人の性格特性、環境、具体的な不安の変化について伺う。これにより、性格特性や不安の性質によってキュレーションすべき楽曲の特徴を明らかにすることが可能である。本研究ではボカロ曲をキュレーションするアプリケーションの使用を想定しているため、特にボカロ曲についてはより詳細に検討するため前述のインタビューによって質問項目を決定する。このインタビューの実施前にはWeb上で書面による同意を取得する。得られた回答について、楽曲特徴と性格特性、環境、不安変化などの特性を対象に因子分析を行う。因子分析によりこれらの観測変数のうちどういう項目が最も楽曲の好みと関連するかを明らかにすることで適切なキュレーション実施に繋げる。

Causes of Carryover

今年度(2022年)の計画を見直し、事前にWeb調査を実施することとしたことから次年度(2023年)に助成金を持ち越した。
2023年度は、Web調査協力者への謝金や調査結果を文章化する作業従事者の雇用に当てることを予定している。

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Published: 2023-12-25  

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