2022 Fiscal Year Research-status Report
現代日本のアニメ文化におけるW.ディズニー受容の領域横断的研究
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22K00239
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
佐野 明子 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (40514039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Kim JoonYang 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00749955)
桑原 圭裕 関西学院大学, 文学部, 教授 (40732897)
須川 亜紀子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (90408980)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ディズニー / アニメ文化 / 1950年代 / 受容研究 / ヒアリング調査 / 渡辺泰 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は第一に、1950-60年代に日本公開された『白雪姫』(1937)を嚆矢とするディズニー長編アニメが、 日本のアニメ文化(アニメ、マンガ、グッズ、絵本等)へ継承された実態を解明するものである。研究代表者は、口頭発表「アニメーターの戦時下・戦後―多様な画の仕事―」を行い(2022年12月10日、於神戸映画資料館)、第二次世界大戦期に活躍したアニメーターたちがW.ディズニーの影響をいかに受けながら、1950-60年代にかけて幻灯画、漫画、雑誌、グッズなど「絵を描く仕事」を手がけたか検討した。 本研究の第二の目的は、1950-60年代のファンのヒアリング調査と資料分析を行い、ファン・制作・映像へ多角的に目を配る受容研究を実践することで、これまで看過されてきた1950-60年代のアニメ文化研究の空白部を埋めることにあるため、研究代表者・分担者・協力者によるヒアリング調査の分担を決め、2023年度に実施する方針を定めた。また、研究活動のさい、渡辺泰(日本アニメーション学会名誉会員、文化庁メディア芸術祭功労賞)のディズニー・コレクション資料(劇場パンフレットやファンクラブ会誌)および、日本アニメーション学会西日本支部における渡辺の講演の記録映像(32時間)を整理保存して活用するため、コレクション資料のデジタルデータおよび講演の記録映像を文字起こししたデータをメンバーで共有し、研究の展開の可能性を議論したうえで、2023年度の各自の研究方針を定めた。以上は、2回開催した研究会において実践された(2022年7月24日オンライン開催および2023年3月29日於同志社大学京田辺キャンパス)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に要する資料についてヒアリング調査以外は全て研究メンバー8名で共有でき、研究の展開の可能性が議論において提示され、8名がそれぞれの研究方針をおおむね定められたため。2024年度の成果報告シンポジウムに向けての重要事項の取り決めを今年度内に達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はメンバー各自でヒアリング調査および研究活動を実践し、2024年3月の研究会で中間報告を行う。各自の成果を共有したうえで、さらに研究を展開させ、2024年度に成果報告シンポジウムを開催する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの状況がまだ諸調査、とくにヒアリング調査の大半は高齢者を対象とするため、当該年度に予定していた使用額を満たさなかった。次年度使用額は、ヒアリング調査、資料調査、ヒアリング調査のテープ起こしに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)