2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K00245
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
平田 昌輝 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (60709690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 堅二郎 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (30835533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 彫刻 / 石彫 / 星取り法 / 変成岩 / 3Dスキャン / 3Dプリント / 変成岩 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘土原型を制作、粘土原型を3Dスキャナーを用いてスキャン・データ化、また石も併せてスキャン・データ化した。原型の3Dデータをパソコンでモデリングソフトを用いて修正、また石の姿を生かせるように原型と石の3Dデータを重ね合わせながら形体の調整もこの時にデータ上で行った。修正・調整後の原型データを出力用に分割、「星取り」作業に必要な基準点、接合用の凹凸も加えて3Dプリンターで出力した。 粘土原型制作では、実寸大では芯棒や粘土の重量の問題で制作が難しい形体を、約5分の1サイズで制作する方法を試みた。それをスキャン・データ化した後、パソコン上で拡大や分割をしながら粘土では造形が難しい箇所の造形やその他の修正、石の形体に合わせた位置の検討や形体の調整を行った。3Dプリンターで出力できるようおよそ30センチ四方内に収まるよう小さく分割し出力、その後接合したが、ここではいくつかの問題が見えてきた。 FDM方式のプリンターを使用したが、樹脂の冷却・収縮に伴う変形など、大小さまざまなずれが生じてしまい、パテなどを用いた修正の必要が少なからずあった。本研究では、導入が容易な廉価な3Dプリンターを敢えて使用したが、高精度な高額機と比較を行って、廉価機の妥当性を確認することも手法開発にとって有意義な検証と考える。 上記問題点はあったが、それら以外では星取り用の大型の分割原型を制作することは概ねうまくいった。星取り作業において「くるい」の生じにくい工夫を試みた。2023年度からの星取り作業においてこれらの妥当性や問題点を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では3Dデータの修正やデータ上の分割までを年度内に行う予定であったが、それに加えて3Dプリンターでの出力と接合、修正までを年度内に行うことができた。この点においては「当初の計画より進展している」といえる。 しかし、星取り法において最も重要といえる分割原型の精確さについて、3Dプリント時の問題点が見えてきた。この問題の解決法の検討が新たに必要となったことにより、「おおむね順調に進展している」という評価に一段階下げた。
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Strategy for Future Research Activity |
出力した分割原型は手作業で修正済みで、この原型を用いて星取り法で石の切削(彫刻制作)を行う。これは2024年度までかかる予定である。 石の切削と並行して、3Dプリンターでの原型出力における精確性の向上を検討する。
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Causes of Carryover |
本研究では大量の切削工具を使用することになるが、それらの購入が遅れている。 2023年度にこれらの購入を進め、今後の進捗に影響が出ないように進めていく。
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