2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K00245
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
平田 昌輝 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (60709690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 堅二郎 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (30835533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 星取り / 3D / 彫刻 / 石彫 / 変成岩 / PLA / pantograph technique / scupture |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は石の切削の工程に入り、進めた。 原型・石の3Dデータの重ね合わせで決定した石の切断面を、石材店の大型機械を用いて切断した。データ上での検討で決めた切断面であったため、実際の作業では自然石の角度の微調整やはつり作業での面出しの必要が生じ当初の想定よりも時間を要した(5月中旬~6月中旬)。 次に星取り作業に入った。2023年6月中旬~7月下旬に粗取り、2023年8月~2024年3月中旬まで細部も含めた彫り込みを進める。作業環境は、屋外に設置したテント内であり、夏の高温や湿気、冬の低温や凍結、隙間から吹き込む雨による濡れなどに晒されながらの約7か月間の星取り作業中で、FDM方式の3Dプリンターで出力した樹脂(PLA)を素材とする原型の変形など、問題の有無を確認することができた。結果は、若干の変形が疑われる変化はあったものの、石膏原型と比較しても大差はなく、星取り用の原型として十分使用できると判断した。3月下旬に星取り器を固定するために石に設置した金具を取り外し、研磨工程に入る前の仕上げの彫りこみに入った。 石膏と比較するとかなり軽量であるという樹脂(PLA)の特性は、作業中の取り回しが容易で、形体を転写するための原型の観察の際に大変有用である。切断も容易にできるため、原型を細かく分割し、切削しようとする箇所のすぐそばにそれおいて間近に観察しながら切削を行うことができる。原型も大型となる、大型作品の星取り法においては特に有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原型制作は当初予定よりも早く進んでいたが、石の切削工程は当初の予定よりも時間を要しており、差し引きで当初予定通りの進捗となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は石の彫刻制作の仕上げの彫り込みの続きと研磨を行う予定である。 並行して成果発表の準備も進める。
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Causes of Carryover |
研究期間中に研究所内での作業場所の移転検討が進められており、2024~2025年度の研究計画変更の可能性が生じた。この見通しが立った後に使用する必要があるため次年度使用額が生じた。 2024年度半ばには見通しが立つ予定であり、それ以降に物品費、旅費、その他を使用する。
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