2022 Fiscal Year Research-status Report
ザムエル・シャイトの中期声楽作品研究―17世紀ルター派の礼拝音楽実践を手掛りにー
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22K00259
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
鏑木 陽子 (米沢陽子) 立教大学, キリスト教学研究科, 特任教授 (10638357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大角 欣矢 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90233113)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ザムエル・シャイト / 宗教的コンチェルト / ドイツ・ルター派 / 礼拝音楽 / 小編成声楽作品 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はザムエル・シャイトの中期(1630~1640年代)の声楽作品集『宗教的コンチェルト Geistliche Konzerte』(以下、GKと略)第1巻~第4巻所収曲の概要(各曲の声部編成、教会暦との関係、礼拝における用途等)のデータ化を行なった。研究課題18K00242で扱った『カンツィオネス・サクレ Cantiones sacrae』(1620年、以下CS)が複合唱(8~12声)と管弦楽を伴う大編成の楽曲であるのに対し、GKは三十年戦争とペストによる惨禍で壊滅的な打撃を受けたハレの町がようやく落ち着きを取り戻し始めた1630年から出版が開始された曲集である。所収曲はいずれも通奏低音を伴う3声部編成が大半を占める小編成の作品である。このことはドイツの人口が半減したとも伝えられる社会状況にあって、教会音楽の担い手も減少し、シャイトが小編成の作品を作曲せざるを得なかったことを示している。 GK所収曲の詳細な楽曲分析は2023年度以降、本格的に着手する予定であるが、第1巻において、コラール定旋律および対旋律の用い方に関してはCSとの大きな差異は認められない印象である。 本研究では2024、2025年度に17世紀中葉のハレにおける礼拝(主日礼拝、晩課)の演奏実践を再現する予定である。目下、17世紀ドイツ・ルター派の礼拝式次第に関する資料収集を続けている。17世紀前半のハンブルク聖カタリナ教会における演奏実践は楽譜が出版されており、それらも手掛かりにしながら礼拝の構成を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、初年度は一般の合唱音楽愛好家向けにワークショップの開催を考えていたが、新型コロナウィルス感染症が依然終息していないことから、開催を見送った。 またドイツの図書館におけるGK初版譜の現物確認調査、筆写譜等の調査、礼拝関係の資料収集も渡欧を延期したため未着手である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年8月にドイツ及びスウェーデンの図書館に赴き、現地調査を行なう予定である。 また2023年度は年度末に、ワークショップの開催を予定している。第1部は研究分担者の大角欣矢による作品解説及び作品分析、第2部は研究協力者のサリクス・カンマーコアのメンバーによる合唱のワークショップである。会場は立教大学チャペル会館2階マグノリアルームを予定している。
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Causes of Carryover |
ワークショップの開催を次年度に延期したこと、研究代表者が海外調査を見送ったことにより、次年度使用額が生じた。これらは、そのまま次年度に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)